石神社 (柏原市)

石神社について

石神社（いわじんじゃ）は、大阪府柏原市太平寺に位置する古い神社です。この神社は式内社であり、昔の社格では村社に分類されていました。主祭神には石姫皇女が祀られており、彼女は宣化天皇の皇女で、欽明天皇の皇后です。配祀神には石長姫命と熊野権現があり、古くから地域の人々に信仰されてきました。

概要

石神社は、柏原市太平寺地区の生駒山地南端近くに位置する小高い丘の山腹にあります。境内には社務所があり、社殿は高い石段を登った先にあります。歴史的には、日本三代実録に記載されているように、貞観9年（867年）には官社として認定された記録があり、延喜式神名帳でも小社とされています。

江戸時代には、太平寺村の氏神として信仰を受けており、その際には「熊野権現社」として知られていました。石神社がある地点には古代に「智識寺」と呼ばれる寺院が存在し、聖武天皇と孝謙天皇が難波宮と平城宮を往来する際に訪れていたとされています。智識寺には非常に大きな廬舎那仏があり、聖武天皇がこの仏を見て東大寺の大仏造営を決意したと言われていますが、智識寺自体は室町時代には衰退したと考えられています。

境内の特徴

神社の境内には高さ約16メートル、周囲約6メートルの大きなクスノキが存在し、樹齢は700年から800年と推定されています。この木は大阪府の指定天然記念物に指定されており、多くの参拝者がその姿に魅了されています。また、社務所の横には智識寺の東塔の礎石が残っており、こちらは大阪府の文化財にも指定されています。この礎石は、一時期神社の手洗い石として使われていて、現在は柵で囲われています。

年中行事

石神社では年中行事として、夏季大祭が7月18日と19日に行われています。この祭りでは、太平寺地区による華やかなふとん太鼓が奉納され、地域の人々によって盛大に祝われます。また、例祭として10月19日には秋祭りが行われます。

文化財

石神社に関する文化財には、大阪府指定文化財として智識寺東塔刹柱礎石（考古資料）があり、1970年に指定を受けています。また、天然記念物として指定されている石神社のクスノキは1978年にその価値が認められました。

アクセス情報

石神社の所在地は大阪府柏原市太平寺2丁目19-13で、近鉄大阪線の安堂駅からは徒歩で約10分ほどで到達することができます。このエリアは、古くから生駒山地の山麓を南北に通る道があり、在原業平が大和国と河内国一宮である枚岡神社を訪れる際に通った道として知られる「業平道」とされています。

まとめ

石神社は地域の信仰と歴史が息づく場所であり、訪れることで日本の古代文化や歴史を感じることができます。また、境内の天然記念物や文化財も見どころが多く、観光目的でも多くの人々に親しまれています。

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