石黒四郎

石黒四郎

石黒四郎（いしぐろ しろう、1908年1月1日 - 1968年7月24日）は、日本の外交官です。正三位の位階を持ち、その生涯を通じて日本の外交に貢献しました。

生い立ちと初期のキャリア

愛知県知多郡河和町出身の石黒は、1930年に高等試験外交科に合格し、1931年に東京商科大学（現在の一橋大学）を卒業後、外務省に入省しました。初期のキャリアでは、在英国大使館や外務省東亜局第一課に勤務し、国際的な舞台での経験を積みました。

上海におけるユダヤ避難民問題への取り組み

1938年からは、在中華民国大使館三等書記官および在上海領事として、上海におけるユダヤ避難民問題に深く関わりました。犬塚惟重大佐や安江仙弘大佐とともに現地調査を行い、上海ゲットーの整備を推進するなど、人道的な側面からも重要な役割を果たしました。この時期の彼の活動は、外交官としての使命感と人道に対する深い理解を示しています。

戦後の活動

終戦後は、経済安定本部総裁官房連絡部長、連絡調整中央事務局第二部長を経て、1949年に外務省特殊財産局長に就任。その後、賠償庁特殊財産部長、賠償庁次長を歴任し、戦後の日本の復興と国際社会への復帰に尽力しました。賠償問題という難しい課題に取り組む中で、その手腕を発揮しました。

大使としての活躍と晩年

1951年には在サンパウロ日本政府在外事務所所長、1952年には在サンパウロ総領事を務めました。1956年には駐イラク特命全権公使、1957年には兼駐ジョルダン特命全権公使として中東地域での外交活動を担いました。さらに、1959年には駐ニュージーランド特命全権大使、1965年には駐メキシコ特命全権大使に任命され、メキシコ駐在時には兼駐グァテマラ特命全権大使も務めました。

メキシコ大使在任中の1968年に病気のため逝去。その功績を称えられ、グスタボ・ディアス・オルダス・メキシコ大統領から昭和天皇に弔電が送られました。没後、従三位勲二等旭日重光章、正三位が贈られました。

石黒四郎は、激動の時代において、外交官としてその責務を全うし、国際的な視野と人道的な精神を持って活躍した人物として、後世に語り継がれるべき存在です。

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