砂川涼子

日本を代表するソプラノ歌手、砂川涼子は藤原歌劇団に所属し、国内外で活躍しています。特にプッチーニやビゼーなど、イタリア・フランス系オペラ作品における数々の当たり役で知られ、『ラ・ボエーム』のミミ、『カルメン』のミカエラなどで高い評価を得ています。近年はコルンゴルトの『死の都』で二役を演じるなど、ドイツ系オペラにも意欲的に取り組み、活躍の幅を広げています。

沖縄県宮古島出身。武蔵野音楽大学声楽学科を首席で卒業後、同大学院を修了しました。学生時代には宮内庁桃華楽堂での御前演奏会に出演したほか、エレーナ・オブラスツォワらに師事し研鑽を積みました。

2000年6月、新国立劇場小劇場での『オルフェオとエウリディーチェ』エウリディーチェ役でオペラ歌手として本格的にデビュー。2001年からは江副育英会奨学生としてイタリアへ留学。オペラの本場で学び、留学中の一時帰国時には藤原歌劇団公演にも出演しました。

イタリアでの研鑽を経て帰国後、砂川氏はNHK『ニューイヤーオペラコンサート』に複数回出演するなど、国内での存在感を高めました。2004年には初のソロリサイタルを開催。特に『ホフマン物語』のアントニア役は、2003年公演で急遽代役を務めて絶賛されたことから、2005年の再演では本キャストとして起用されるなど、代表的な役柄の一つとなりました。同年には五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞し、その奨学金を得て再びミラノへ留学。この間も研鑽を深め、2010年のあいちトリエンナーレでの『ホフマン物語』や、2022年の佐渡裕氏プロデュース公演など、主要な舞台で活躍を続けています。

砂川氏の実力は数々の受賞歴によっても証明されています。1998年日伊声楽コンコルソ優勝、2000年日本音楽コンクール声楽部門第1位・特別賞を受賞。2005年五島記念文化賞、2006年にはイタリアのザンドナイ国際声楽コンクールで最高賞を獲得するなど、国内外で高い評価を得ています。

比類なき歌唱と表現力を持つ砂川涼子氏は、日本のオペラ界において欠かせない存在です。得意なレパートリーに加え、新たな分野への挑戦を続ける姿勢は、多くの後進の手本となっています。日本のオペラ芸術に貢献し続ける彼女の今後の活躍から目が離せません。

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