砂漠の異教神

『砂漠の異教神』について

『砂漠の異教神』は、テーブルトークRPG『アルシャードff』に基づいたリプレイ作品であり、その制作はゲームマスター伊藤和幸によって行われました。この作品は、2006年8月に『ゲーマーズ・フィールド』の10th Season Vol.6に掲載され、その後2010年12月にはリプレイ「虹の彼方から」との合本としてエンターブレインから刊行されました。イラストは、最初の掲載時にはすがのたすく、単行本版では安達洋介が担当しています。特筆すべきは、重要キャラクターの1人であるエリザ・ベスの通称が、リプレイ内では「エリザ」とされていますが、便宜上、次回の登場作「襲来！コスモマケドニア！！」に合わせ「ベス」として言及されています。

概要

このリプレイは、2006年5月にリリースされたサプリメント『ウィンカスター・フォーチュンサービス』に含まれている「シナリオクラフト」の実例として制作されました。GMの伊藤は、その後も『アルシャードガイアRPG』や『ダブルクロス The 2nd Edition』のリプレイを手がけており、シナリオクラフトの名手として知られています。また、この作品は、後に進行するプロジェクト『アルシャードトライデント』の核となるキャンペーンリプレイにおいても重要な役割を果たしており、ミハエル・ベルグフントやエリザ・ベスが初めて登場します。

あらすじ

物語は、西方のスズリ砂漠における異常事態から始まります。巨大的なモンスター「サンドワーム」が暴走し、砂漠の民であるジャーヘッド最大の勢力、アディーナ氏族の長ペルニラを誘拐します。交易のためにアディーナ・オアシスに立ち寄った最後の生き残りであるゴルム氏族のイングリナは、氏族内の動揺を見て、ペルニラ救出に自ら立ち上がります。砂漠の異変は真帝国やウェストリ廃王国の関心も引き、ウィンカスターでは情報企業「ウィンカスター・フォーチュンサービス」がペルニラの誘拐を察知します。

真帝国の軍務枢機卿マクシミリアンは、スズリ砂漠に存在する非公然研究所の調査を命じます。また、エリザ・ベスも機械神の神託を受けて砂漠に向かうことになります。果たして、スズリ砂漠では何が起ころうとしているのでしょうか。

登場人物

このリプレイには多彩なキャラクターが登場します。

• - ミハエル・ベルグフント (PL - 小太刀右京): ゾルダートとエレメンタラーのマルチクラスを持つ少年兵で、真帝国の秘密部隊「皇帝の剣」に所属。強い忠誠心を持つが理想と現実の狭間で葛藤しています。

• - エリザ・ベス (PL - 鈴吹太郎): 猫人種族リンクスの少女。機械神への信仰を持ちながら、異端者を焼き尽くす異端審問官としての役割を担っています。

• - イングリナ (PL - 三輪清宗): ゴルム氏族の生き残りで、恩義を感じるペルニラ救出に乗り出します。

• - ヴィヴィアン (PL - 遠藤卓司): 情報企業WFSに所属する調査員で、他のPCたちを仲間に引き入れる調停役として活躍します。

また、ノンプレイヤーキャラクターとして、ペルニラやティファナ、マクシミリアン、ヴィスワヴァ、エーリッヒなどが登場し、それぞれ物語の進行に重要な役割を果たします。

世界観

物語の舞台は、ミッドガルド大陸の西方に位置するスズリ砂漠で、魔法や異なる文化、神々が交差する幻想的な世界です。このリプレイでは、プレイヤーたちが個性豊かなキャラクターを通じて、謎と冒険に満ちた物語を進めていく様子が描かれます。たどり着く結末は、彼らの選択に委ねられ、一層の緊張感を生み出しています。

結論

『砂漠の異教神』は、プレイヤーたちが織り成すストーリーと深いキャラクター描写が魅力的な作品です。冒険と戦略が融合したTRPGの魅力が存分に楽しめるリプレイとなっています。

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