破山海明

破山海明（はざん かいめい）

破山海明（1597年 - 1666年）は、中国の明末清初の臨済宗の禅僧で、字は懶愚、号は旭東。俗姓は蹇、名は棟宇。順慶府広安州大竹県の出身。

生涯

1597年、蹇弘と徐氏のあいだの子として生まれた破山海明は、14歳で両親を亡くすという不幸に見舞われます。19歳で地元の寺院にて出家得度し、仏道への道を歩み始めました。

1616年、彼は四川を出て各地を遊学し、修行を重ねます。1619年には、蘄州黄梅県破頭山に庵を結び、四祖寺、東禅寺で参禅し、仏経と高僧語録を読み耽りました。この頃、明朝の衰退を目の当たりにし、国が衰退していく様子を見て、「破山」と号しました。

1622年、破山海明は東へ向かい、寧波府鄞県にある天童寺で高僧である天童密雲禅師に師事します。彼は天童密雲禅師から薫陶を受け、「臨済正宗第36代祖師」となりました。

1632年、破山海明は天童密雲のもとを離れ、故郷である四川に戻ります。その後、万県の広済寺、梁山県の太平寺、万年寺などで経説を説き、経書を出版するなど、禅院の復興に尽力しました。

また、反清復明を目指す将軍、姚玉麟の招待を受け、彼が兵を駐屯させていた夔州府梁山県の金城山で禅の教えを説きました。

1653年、破山海明は梁山県万竹山に双桂堂を建立しました。自ら門聯「二株嫩桂久昌昌、正快時人鼻孔；数畝荒田暫住住、稍安学士心腸」を書き記しています。双桂堂は「西南叢林の首」、「第一禅林」、「宗門の巨擘」と称えられ、多くの人々が訪れる禅の道場となりました。

1666年、破山海明は69歳で入滅しました。

著作

破山海明は、多くの著作を残しました。

『破山禅師語録』
『双桂草』

思想

破山海明の思想は、禅の教えを基盤としつつも、時代の変化に対応した柔軟なものでした。彼は、現実社会と向き合いながら、人々に心の平安をもたらすことを重視しました。

影響

破山海明は、明末清初の混乱期において、多くの人々に心の支えを与えました。彼の教えは、今日においても多くの人々に影響を与え続けています。

関連事項

昭覚寺

参考文献

熊少華 (2019). 『破山禅師評伝』. 重慶市: 重慶出版社. ISBN 9787229140908

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