碧雲寺

碧雲寺（へきうんじ）は、北京市海淀区の香山の麓に位置する寺院です。元朝の至順2年（1331年）に建立されました。元朝建国の元老である耶律楚材の子孫、阿勒弥（もしくは阿里吉）の宅地を寺としたのが始まりで、当時は碧雲庵と呼ばれていました。

明朝の正徳9年（1514年）には、御馬監がこの地の風水を気に入り拡張され、天啓3年（1623年）には、魏忠賢が自らの墓所とするために更に拡張されました。清朝の乾隆13年（1748年）には、乾隆帝により大規模な修繕と拡張が行われ、現在の規模となりました。

碧雲寺は山を背にして西向きに建てられており、面積は約4000平方メートルです。香山の入口からほど近くに位置しています。寺院は、山門殿、弥勒殿（天王殿）、大雄宝殿、孫中山記念堂、菩薩殿、羅漢堂、金剛宝座塔などから構成されています。2001年には国務院により全国重点文物保護単位に指定されました。

山門には「西方極楽世界阿弥陀仏安養道場」と書かれており、両脇には石獅が寺を守護しています。弥勒殿には弥勒菩薩が安置され、乾隆帝が揮毫したとされる「静演三車」の文字が掲げられています。菩薩殿には、大勢至菩薩、文殊菩薩、観音菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩が安置されています。

大雄宝殿には、釈迦牟尼仏が説法する仏像が安置され、両側には阿難と迦葉、左右には文殊菩薩と弥勒菩薩が中央を向いています。殿内には18羅漢が並んでいます。奥には海島観音像が安置されており、両側には善財と龍女がいます。

2005年、碧雲寺の修復の際、金剛宝座塔付近から鎮墓獣（墓を守るとされる）が発見されました。専門家による検証の結果、魏忠賢の墓の遺物であると判明しました。しかし2013年には、裏庭から侵入した者によって一部が盗まれるという事件も発生しています。

孫文が北京で亡くなった後、一時的に碧雲寺に安置されたことから、境内には孫文（孫中山）記念堂があります。

以前は地下鉄がなくアクセスが不便でしたが、地下鉄の開通により非常に便利になりました。毎年秋になると、香山の紅葉を見に多くの人々が訪れ、碧雲寺にも多くの参拝者が訪れます。

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