磯部裕次郎

磯部裕次郎（いそべ ゆうじろう）

北海道釧路市出身のプロアイスホッケー選手であり、ゴールテンダー（GK）として活躍する。1997年6月24日生まれ。現在は日本の新たなプロリーグであるIJリーグに所属する東京ワイルズの正守護神候補として期待されている。幼少期からアイスホッケーに親しみ、そのキャリアは北海道の地で育まれた。

アマチュア時代

磯部選手のホッケー人生は、地元釧路市で始まった。中学校は鳥取中学校に進み、その後、アイスホッケー強豪校である北海道の武修館高等学校へ進学。高校3年生時にはチームをインターハイ優勝に導く立役者となった。この輝かしい実績が高く評価され、2016年に名門・明治大学へ入学。大学アイスホッケー界でもその才能を開花させた。

大学1年生時には、年代別の日本代表としてU-18ユニバーシアードに出場。特にオーストリアとの試合では、そのパフォーマンスが認められゲームベストプレイヤーに選出された。また、明治大学のゴールを守る存在として、チームが達成したインカレ3連覇（1年生から3年生時）に大きく貢献。4年生時には惜しくも4連覇は逃したが、3位という成績を残している。この大学時代は、同時期に活躍し、現在もプロとしてプレーを続ける東北フリーブレイズの伊藤崇之選手や、横浜GRITSの古川駿選手といった、同世代の優れたGKたちと互いに高め合いながら成長した時期でもあった。

プロキャリア

大学卒業後、磯部選手はプロの舞台へとステップアップした。

王子イーグルス時代: 2020年、アジアリーグアイスホッケーに所属する王子イーグルスに入団し、プロキャリアをスタートさせた。しかし、2022年4月1日をもってチームを退団した。
ひがし北海道クレインズ時代: 王子退団後、2022年6月29日には同じく北海道を拠点とするひがし北海道クレインズへの加入が発表された。新たな環境での活躍が期待されたが、2023年5月2日、チーム運営における給与未払い問題を理由に、監督を含む多くの選手やスタッフとともにチームを離れるという、プロキャリアの中でも厳しい経験を強いられた。
東京ワイルズ時代: クレインズ退団後、磯部選手は新たな所属先を探すこととなった。2023年6月21日、新設された北海道ワイルズへの加入が決定。2024年にはチームが東京へと拠点を移し、新設されたIJリーグに加盟、チーム名も東京ワイルズと変更された。磯部選手は引き続きチームの中心選手として名を連ね、2024年5月31日には新シーズンに向けた氷上練習参加選手として発表され、新たなリーグでの活躍が期待されている。

プレースタイルと人物

ゴールテンダーとしての磯部選手は、アグレッシブなプレースタイルを身上としている。一見大胆に見えるそのプレーの背景には、GKとして求められる冷静さや真面目さ、そしてひたむきな努力に裏打ちされた確かな技術がある。身長は180cmに満たないものの、持ち前の天性の柔軟性と、日々のハードワークによって鍛え上げられた身体は、怪我を極めて少ないものとしている。

特に注目すべきはそのスケーティング技術で、これは日本人初のNHLプレイヤーであり、同じくGKであった福藤豊氏からも絶賛されるほどである。また、国内トップレベルのGKコーチである若林弘紀氏が開催するクリニックでは、その高い技術を示すデモンストレーションGKとして常に招かれていることからも、その卓越した素質がうかがえる。

氷上では闘志あふれる姿を見せる一方で、一度GKマスクを外すと、端正な顔立ちが際立ち、特に女性ファンから絶大な人気を集めているという一面も持つ。アイスホッケー選手としてだけでなく、その人間的な魅力も多くのファンを引きつけている要因と言えるだろう。

代表経験

磯部選手は、日本代表としても国際大会を経験している。

世界選手権ではU18およびU20の日本代表に選出され、世界の舞台でプレーした。
* 大学時代にはユニバーシアード大会の日本代表として選ばれている。

様々な経験を経て、IJリーグという新たな舞台でキャリアを続ける磯部裕次郎選手は、今後の日本アイスホッケー界を牽引していく存在の一人として期待されている。

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