礼子内親王 (後鳥羽天皇皇女)

礼子内親王の生涯

礼子内親王（れいしないしんのう）は、正治2年（1200年）から文永10年（1273年）まで生きた鎌倉時代前期の皇族で、後鳥羽天皇の第3皇女です。母は内大臣の坊門信清女であり、同母の兄弟には道助入道親王と頼仁親王がいます。彼女は嘉陽門院という院号を持ち、斎院としても知られています。

幼少期と内親王宣下

元久元年（1204年）6月23日、礼子内親王は5歳のときに内親王として宣下され、准三宮および斎院に卜定されました。元久2年（1205年）4月28日には初めて左近衛府に入るなど、その地位を明確にしながら成長しました。また、建永元年（1206年）4月19日には紫野院に入るなど、貴族社会の中で重要な役割を担っていました。

病と退下

しかし、建暦2年（1212年）9月4日、13歳で病気により斎院を退下することとなります。その後、建保2年（1214年）6月10日には正式に院号が宣下されます。礼子内親王は非常に若い年齢で病に倒れましたが、彼女の存在自体が当時の貴族社会にとって重要でありました。

出家とその後の動向

承久2年（1220年）5月21日、内親王は出家を選びました。このときの戒師は同母の兄道助入道親王であり、彼女は法名を真如性と名乗ります。出家後の生活は、以前とは異なる堅固な精神修行を伴うものとなったと考えられます。

祖母の影響と生活

幼少期、礼子内親王は祖母である七条院殖子のもとで育てられていました。『業資王記』には、七条院で行われた「姫宮」の戴餅や御魚味祝に関する記録が残されています。斎院を退下した後は、四条壬生の御所に住んでいたようで、後堀河天皇がしばしば行幸したことも知られています。また、母方の坊門家の行事にも参加し、家族との繋がりも大切にしていました。

承久の乱とその影響

承久の乱が勃発すると、彼女の父である後鳥羽天皇は隠岐国に配流され、同母弟の頼仁親王も備前国へと流罪となります。母の坊門局も後鳥羽天皇に同行しましたが、礼子内親王は京にとどまりました。嘉禎2年（1236年）頃には仁和寺御所にいたとの記録も残されています。承久の乱による混乱は、賀茂斎院の卜定にも大きな影響を与え、最終的には廃絶してしまいます。礼子内親王は歴代最後の斎院となったのです。

薨去

礼子内親王は、文永10年（1273年）8月2日に74歳で薨去しました。その生涯は、多くの波乱に富んだ歴史の中で深い影響を持ったものだったと評価されています。彼女の存在は、当時の日本の貴族社会や文化においても重要な役割を果たしたことは間違いありません。

参考資料

• - 所京子『斎王の歴史と文学』国書刊行会、2000年。
• - 芳賀登ほか監修『日本女性人名辞典』日本図書センター、1993年。

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