社会人野球日本選手権大会予選

社会人野球日本選手権大会予選は、毎年秋に開催される本大会へ出場するチームを選抜するための重要なプロセスです。この予選は、全国の社会人野球チームが地区ごとに分かれて行われ、厳しいトーナメントやリーグ戦を経て、限られた出場枠を獲得することを目指します。

歴史的背景

日本選手権大会の歴史は、1974年に始まりました。それ以前に存在した日本産業対抗野球大会では、参加チームは所属する産業別に予選を戦っていましたが、日本選手権では都市対抗野球大会と同様に、地理的な地区を基準とした予選方式が採用されました。ただし、地区分けに関しては都市対抗とは異なる部分が存在します。

大会創設から2005年までの間、本大会への出場権は原則としてこの地区予選を勝ち抜いたチームのみに与えられていました。

選考方式の変遷

2006年、日本野球連盟は日本選手権のさらなる地位向上を目指し、選考方式に大きな改革を加えました。この変更により、その年度に開催される特定の主要大会で優勝したチームに対して、地区予選を経ずに本大会への出場権が付与されることになりました。これにより、出場枠の一部がこれらの優勝チームに割り当てられ、残りの枠を地区予選で争う形となりました。

本大会出場権が付与される対象大会は以下の通りです。

都市対抗野球大会（2006年より）
全日本クラブ野球選手権大会（2006年より）
JABA東京スポニチ大会（2007年より）
JABA静岡大会（2007年より）
JABA四国大会（2007年より）
JABA岡山大会（2007年より）
JABA長野県知事旗争奪野球大会（2007年より）
JABA京都大会（2007年より）
JABA九州大会（2007年より）
JABA東北大会（2007年より）
JABA北海道大会（2007年より）
JABA日立市長杯選抜野球大会（2010年より）
JABAベーブルース杯争奪大会（2010年より）

また、2010年（第37回大会予選）以降、地区連盟主催大会や地区予選への出場資格は、原則として企業チームまたはこれに準ずるチームに限定されました。これにより、多くのクラブチームは地区予選に参加することが難しくなりました。しかし、2006年以降は全日本クラブ野球選手権大会の優勝チームに本大会出場権が与えられているため、本大会には必ずクラブチームが出場する機会が設けられています。

なお、同一チームが複数の対象大会で優勝した場合や、社会人野球チーム以外のチームが地区連盟主催大会で優勝した場合（この場合は準優勝チームに権利が付与される）、該当チームが所属する地区の予選からの出場枠が増加する場合があります。各地区の出場枠は、こうした要素も考慮して決定されます。

地区分けと出場枠

予選は日本野球連盟が定める9つの地区連盟ごとに実施されます。地区分けは創設当初から幾度か変更されています。

第1回～第16回: 北海道、東北、中部、関東、東海北陸、近畿、中国、四国、九州の9地区（22チームで開始、後に24チームに増加）。中部地区には新潟、長野、富山、山梨、静岡が含まれ、東海北陸地区には愛知、岐阜、三重、石川、福井が含まれていました。
第17回～第32回: 出場チーム数が26に増加。中部地区と東海北陸地区が再編され、北信越地区（新潟、長野、富山、石川、福井）と東海地区（愛知、岐阜、三重、静岡）となりました。山梨県は関東地区に編入されました。
第33回～現在: 前述の選考方式変更を経て、出場チーム数は変動しています。現在の地区分けはおおむね第17回以降の形を踏襲しています。

各地区に割り当てられる予選からの出場枠数は、年度によって変動があります。例えば、北海道地区は初期には2枠ありましたが、後に1枠となりました。関東地区や近畿地区などは他の地区に比べて多くの出場枠が設定されています。これらの枠数は、前述の対象大会優勝チームの所属地区なども考慮されて増減します。

各地区では、トーナメント方式やリーグ戦方式など、年度や地区によって異なる形式で予選が実施され、本大会出場チームが決定されます。過去には、予選には出場していないものの、他の選考方法によって本大会に出場したチームも存在します（例：茨城ゴールデンゴールズ、所沢グリーンベースボールクラブ、滋賀・高島ベースボールクラブ、ショウワコーポレーションなど）。

社会人野球日本選手権大会の予選は、本大会への切符を掴むための激戦の舞台であり、全国各地で繰り広げられる熱戦は、多くの野球ファンを魅了しています。

開催球場

地区予選の開催球場は多岐にわたります。具体的な球場名は年度や地区によって異なりますが、各地の主要な野球場が使用されます。また、本大会出場権に関わるJABA大会なども各地の球場で行われます。

通算成績

各地区予選におけるチームごとの通算成績は、長年の歴史の中で積み重ねられており、多くのチームが本大会出場を目指して挑戦を続けています。チーム名が変遷している場合もあり、その歴史は社会人野球の歩みと深く関わっています。

社会人野球日本選手権大会予選は、本大会への道を切り拓くための重要な第一歩であり、各チームの意地とプライドがぶつかり合う舞台と言えるでしょう。

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