社長忍法帖

社長忍法帖

『社長忍法帖』は、1965年1月3日に東宝系で公開されたコメディ映画であり、人気シリーズ『社長シリーズ』の第22作にあたります。監督は松林宗恵、主演は森繁久彌が務めました。

概要

当初、前作『続・社長紳士録』で終了する予定だった『社長シリーズ』ですが、ファンの熱い要望に応え、本作で復活を遂げました。本作からは、小林桂樹が部長役としてシリーズに再加入し、司葉子と夫婦役を演じることになります。

物語は、「岩戸建設」という建設会社を舞台に展開されます。高度経済成長期の日本を背景に、社長の岩戸久太郎（演：森繁久彌）と社員たちが、仕事や家庭で巻き起こす騒動をコミカルに描いています。本作の大きな特徴として、シリーズ初の北海道ロケが行われた点が挙げられます。雄大な北海道の風景が、映画に彩りを添えています。

また、当時の世相を反映して、タイトルに『忍法』という言葉が用いられています。これは、当時『伊賀の影丸』をはじめとする忍者ものが人気を博していたためです。劇中では、三木のり平演じる総務部長が、何かにつけて「忍法」を連発するギャグが取り入れられ、観客を笑わせました。

スタッフ

製作：藤本真澄
脚本：笠原良三
監督：松林宗恵
撮影：鈴木斌
音楽：山本直純

キャスト

岩戸久太郎（「岩戸建設」社長）：森繁久彌
岩戸登代子（久太郎の妻）：久慈あさみ
石川隆（「岩戸建設」技術部長）：小林桂樹
石川京子（隆の妻）：司葉子
間々田弁次郎（「岩戸建設」総務部長）：三木のり平
* 毛馬内強（同北海道出張所主任）：フランキー堺

評価

『社長忍法帖』は、高度経済成長期の日本の世相を反映したコメディとして、多くの観客に支持されました。森繁久彌をはじめとする豪華キャストの演技や、笠原良三によるユーモアに富んだ脚本、松林宗恵の軽快な演出などが高く評価されています。また、北海道ロケの美しい映像や、忍者ブームに乗ったギャグなど、時代を反映した要素も盛り込まれており、見どころ満載の作品となっています。

その他

本作のタイトルにも使われている「岩戸」は、当時の好景気を指す「岩戸景気」に由来しています。また、併映作品は、岡本喜八監督、三船敏郎主演の『侍』でした。

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