祁州

祁州（きしゅう）は、中国の歴史において、唐末から民国初年にかけて存在した州です。現在の河北省石家荘市東部と保定市南部にまたがる地域に設置されていました。

概要

祁州の設置は893年（唐の景福2年）に遡ります。当時、定州節度使であった王処存の奏請により、定州無極県に祁州が置かれました。当初、祁州は河北道に属し、無極県と深沢県の2県を管轄していました。

北宋時代の1004年（景徳元年）には、祁州の州治が定州蒲陰県に移され、同時に無極県は定州の管轄へと移管されました。この時、祁州は河北西路に属し、蒲陰県、鼓城県、深沢県の3県を管轄するようになりました。

金の時代にも、祁州は河北西路に属し、蒲陰県、鼓城県、深沢県の3県を管轄していました。このように、祁州は周辺の行政区画の変更に伴い、管轄する県や所属する行政区も変化していきました。

元代になると、祁州は保定路に属し、蒲陰県、深沢県、束鹿県の3県を管轄下に置いていました。明代に入ると、祁州は保定府に属し、深沢県と束鹿県の2県を管轄しました。

清代の1734年（雍正12年）には、行政区画の再編が行われ、深沢県が定州に移管され、束鹿県は保定府の直轄となりました。これにより、祁州は保定府に属するものの、属県を持たない散州となりました。つまり、祁州自体は存在するものの、直接管轄する県を持たない状態になったのです。

祁州という名称は、1913年、中華民国の成立とともに廃止され、祁県と改称されました。これにより、祁州としての歴史に幕を閉じました。

祁州は、その成立から廃止までの間に、所属する行政区や管轄する県を幾度となく変え、中国の地方行政制度の変遷を映し出す存在でした。その歴史は、この地域における政治、経済、文化の変遷を理解する上で重要な要素となっています。

もう一度検索