祐徳自動車

祐徳自動車株式会社：佐賀の地に根付く総合企業

祐徳自動車株式会社は、佐賀県鹿島市に本社を置く、バス・タクシー事業を主軸とする総合企業です。通称「祐徳バス」として知られ、地域住民の足として長年にわたり貢献しています。その歴史は、かつて鹿島市と武雄市を結んでいた軽便鉄道「祐徳軌道」の廃止に遡ります。同社のバス事業を引き継いだことから、祐徳自動車の歴史は、地域交通の歴史と深く結びついていると言えるでしょう。

祐徳軌道の歴史を受け継いで

1931年、祐徳軌道の廃止と会社解散を受け、翌1932年12月11日、祐徳軌道の2代目社長の息子である愛野時一郎氏を初代社長として、祐徳自動車株式会社が設立されました。創業以来、愛野一族による同族経営が続けられており、グループ会社でも要職を占めています。

多様な事業展開

祐徳自動車は、佐賀県南西部における乗合バス事業のほか、佐賀県・福岡県内での貸切バス事業、福岡市でのタクシー事業など、多角的な事業を展開しています。また、九州急行バスへの出資も行っています。高速バスについては、2021年からはWILLER EXPRESSブランドでの運行を開始するなど、時代に合わせて事業を変化させています。

祐徳グループの中核企業として、交通事業に加え、流通業にも積極的に取り組んでいます。佐賀県と長崎県では、ホームセンター「ホームセンターユートク」を展開するなど、地域社会に貢献する事業を数多く手掛けています。祐徳グループは、佐賀県を代表する企業グループとして、昭和自動車（昭和バス）グループと並ぶ存在感を示しています。

沿革：地域とともに成長

祐徳自動車の歴史を振り返ると、地域社会の変化とともに発展してきたことが分かります。設立当初から路線バスの運行を開始し、順次路線を拡大。貸切バスやタクシー事業にも参入し、事業規模を拡大してきました。一方で、路線の廃止や子会社への移管なども行い、事業の合理化も進めています。1991年にはCI導入を行い、企業イメージの刷新を図るなど、常に変化と対応を繰り返しながら成長を続けてきました。2021年には、老朽化した本社ビルと鹿島バスセンターの建て替えを発表。2023年には新本社ビルが完成する予定です。

現在の事業拠点

祐徳自動車は、本社のある鹿島市を中心に、佐賀県内各地や福岡県、さらには東京や大阪にも営業所を展開しています。乗合バス、貸切バス、タクシー事業など、地域に密着した事業を展開しています。

路線バス：地域社会の足

祐徳自動車の路線バスは、鹿島市、嬉野市、武雄市、佐賀市などを中心に運行されています。多くの路線は自治体からの補助を受けており、日中も１～２往復程度の運行本数にとどまっている路線が多いです。かつては、高速バスも運行していましたが、現在はWILLER EXPRESSブランドの夜行高速バスのみ運行しています。

路線バスの現状

現在、祐徳自動車はいくつかの路線を運行しています。嬉野線、吉田線、太良線、武雄線、祐徳線、佐賀線、モラージュ佐賀線、武雄・三間坂線、嬉野・三間坂線、下吉田線、奥山線、能古見線、大野線など、地域住民の生活を支える重要な役割を担っています。

コミュニティバス：地域交通の維持に貢献

祐徳自動車は、鹿島市、武雄市、江北町などの自治体から委託を受けて、コミュニティバスの運行も行っています。これらのコミュニティバスは、地域住民の生活利便性の向上に貢献しています。

タクシー事業：福岡都市圏をカバー

福岡市を中心にタクシー事業を展開しており、近年は日産車からトヨタ車、そして日産NV200タクシーへと車両を更新しています。福交タクシーに加盟し、同組合の無線配車システムを利用することで、効率的な運行体制を構築しています。

流通業：ホームセンターユートク

祐徳自動車は、ホームセンター「ホームセンターユートク」を運営しています。佐賀県、長崎県を中心に展開し、生活用品からDIY用品まで幅広い商品を取り扱っています。食品スーパー事業を一部売却したものの、ホームセンター事業は引き続き基幹事業として重要な役割を担っています。

グループ会社と今後の展望

祐徳自動車は、多くのグループ会社を抱え、自動車ディーラーや貨物運輸、機械関連企業など、多様な事業を展開しています。今後、新本社ビルの完成とともに、さらなる発展が期待されます。地域社会への貢献を継続しながら、持続可能な成長を目指していくでしょう。

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