祝典前奏曲

リヒャルト・シュトラウスの「祝典前奏曲 ハ長調 作品61」（独: Festliches Präludium）は、1913年10月19日のウィーンのコンツェルトハウス落成式のために委嘱され、初演された管弦楽曲です。5管編成という大規模な編成が特徴で、壮大な響きを持つ作品として知られています。

概要

この作品は、1913年5月11日にドイツのガルミッシュで完成しました。大規模な編成による祝祭的な楽曲で、コンツェルトハウスの落成を祝うにふさわしい華やかさを持っています。

楽器編成

「祝典前奏曲」は、以下の楽器で構成されています。

管楽器: ピッコロ、フルート4、オーボエ4、ヘッケルフォン、小クラリネット、クラリネット4（C管とA管）、ファゴット4、コントラ[[ファゴット]]、ホルン8、トランペット4、トロンボーン4、バスチューバ
打楽器: ティンパニ2（2人、8台）、シンバル、大太鼓
その他: パイプオルガン、弦7部（ヴァイオリン2部：20+20、ヴィオラ2部：12+12、チェロ2部：10+10、コントラバス12）
バンダ（別働隊）: トランペット6（場合によっては12）

この編成からもわかるように、非常に大規模なオーケストラが用いられており、壮大なサウンドを生み出すための工夫が凝らされています。

楽曲構成

楽曲は、オルガンの独奏で静かに始まります。序奏部は「祝祭的な（荘重な）テンポで」と指示され、4分の3拍子で荘厳な雰囲気を醸し出します。その後、全管弦楽が加わり、壮大な盛り上がりを見せます。一旦静まった後、「非常に快活に」と指示された2分の2拍子の主部が弦楽器によって開始されます。ホ長調のフレーズが展開され、一部のパートでは4分の6拍子が重ねられ、複層的な音楽が繰り広げられます。主題の再現を経て、テンポを上げ、再びオルガン独奏による序奏のフレーズに戻ります。終結部では、主部のフレーズも加わり、バンダの6つのトランペットが参加して、壮大なクライマックスを迎え、曲を閉じます。

演奏時間

演奏時間は約11分です。

出版

フリュストナー・ロンドンから楽譜が出版されています。

演奏と録音

作曲者であるリヒャルト・シュトラウス自身がバイエルン国立歌劇場管弦楽団を指揮した録音が存在します。その他、カール・ベーム、レナード・バーンスタイン、ホルスト・シュタイン、デイヴィッド・ジンマン、シュテファン・ショルテス、ネーメ・ヤルヴィ、ヴォルフガング・サヴァリッシュ、イルジー・ビエロフラーヴェクなど、著名な指揮者による録音や映像が残されています。

1997年7月4日には、札幌コンサートホールKitaraのこけら落としコンサートで、秋山和慶指揮、札幌交響楽団の演奏、小林英之のオルガンにより、この曲が演奏されました。この演奏会は、パイプオルガンを備えたコンサートホールの開館を記念するもので、北海道では初の試みでした。東京のオーケストラのトランペット奏者がバンダとして参加し、祝祭に華を添えました。演奏会の模様はNHK札幌放送局によって収録され、NHK教育テレビとBSハイビジョンで放送されました。

脚注

注釈・出典は、上記の本文中に含まれています。
参考文献：フリュストナー・ロンドンのスコア

外部リンク

* 祝典前奏曲の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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