神之渕池

神之渕池（かんのんぶちいけ）

神之渕池は、岡山県久米郡久米南町誕生寺に位置する、豊かな自然に囲まれた美しい溜池です。総貯水量は12万2000立方メートルを誇ります。2010年（平成22年）には山谷大堤として農林水産省の「ため池百選」に選定されました。さらに、上流に位置する北庄の棚田は、1999年（平成11年）に「日本の棚田百選」にも認定されており、この一帯は日本の原風景を色濃く残す地域として知られています。

歴史と役割

神之渕池は、1924年（大正13年）に設立された耕地整理組合によって造成が開始され、1936年（昭和11年）に完成しました。神谷、神代、山沖、丸山、城地区といった広範囲に、サイフォンと暗渠隧道を利用して水を供給する重要な役割を担ってきました。現在も、北庄の棚田45ヘクタールを潤し、農業を支え続けています。

地域交流の拠点

溜池の近隣には、都市と農村の交流拠点である「交流館」が整備されています。ここでは、年間を通して様々なイベントが開催されており、地域住民の交流の場として、また観光客とのふれあいの場として活用されています。

北庄の棚田

神之渕池の上流に広がる北庄の棚田は、３つの営農組合が中心となって耕作されています。そこで生産される「天然棚田米」は、豊かな自然の恵みを受けて育まれた、自慢の農産物です。今後は、耕作面積の拡大も計画されています。また、地域では「棚田まつり」が開催され、溜池と水路、そして美しい棚田の田園風景を保全する活動が行われています。

景観

神之渕池と北庄の棚田は、久米南町を代表する景観の一つです。国道53号からもその美しい景色を望むことができ、「耕して天に至る」という言葉が示すように、地域の最高峰に位置する溜池と周囲の山々が織りなす風景は、訪れる人々を魅了します。

アクセス

道路
国道53号小原
公共交通機関
津山線小原駅