神崎製紙

神崎製紙株式会社の歴史

神崎製紙株式会社は、1948年に設立された日本の製紙業界でかつての大手企業です。旧王子製紙の神崎工場と富岡工場を運営し、塗工紙やノーカーボン紙、感熱紙などの印刷用紙や情報用紙に特化した事業を展開していました。

設立と神崎工場の再建

神崎製紙は、兵庫県尼崎市にある神崎工場を最初の生産拠点として1948年に設立されました。この工場の前身は、1894年に設立された真島製紙所であり、後に王子製紙が買収したものです。戦争による空襲によって旧工場が壊滅的な打撃を受け、復興のためには独立した新会社の設立が求められていました。軍による許可を得た結果、神崎製紙が立ち上がり、戦後すぐにアート紙の生産を再開しました。

富岡工場の設立

1959年には、神崎工場に次ぐ新たな工場として徳島県阿南市に富岡工場を開設しました。この工場では、初めてクラフトパルプを生産し、さらに塗工紙を一貫生産する体制を整えました。厚みのある独自の製品を生み出すための機械投資が進められ、徐々に生産能力が向上していきました。

事業の拡大と変遷

神崎工場では、1962年からノーカーボン紙の生産が開始され、需要の高まりに対応するために生産設備が強化されました。また1980年からはオイルショックの影響により、生産体制の見直しや物流の合理化が求められ、感熱紙の新製品の生産に着手しました。

海外進出

1985年のプラザ合意以降、円高による輸出減少を受け、神崎製紙はアメリカやドイツに工場を設立し、現地生産を進めました。これにより、海外市場での競争力を強化し、収益を向上させることが試みられました。

王子製紙との合併

1993年、神崎製紙は王子製紙と合併することを発表しました。業界全体がバブル崩壊の影響を受けた中、この合併は両社の競争力を高め、経営資源の最適化を狙ったものです。その年の10月、合併により新たに新王子製紙株式会社が設立され、日本製紙に次ぐ業界第2位の地位を確立しました。

余談

佐藤藤太郎氏が初代社長を引き継ぎ、神崎製紙の成長を支えました。神崎製紙はその後王子ホールディングスの一員として、新たな時代を迎え続けています。歴史的な意義を持つこの会社は、現在も製紙業界において重要な役割を果たしています。日本の製紙業界で生き残っていくためには、日々の革新と変化に柔軟に対応することが求められるでしょう。

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