神福山

神福山（じんぷくさん）

神福山は、奈良県五條市と大阪府河内長野市の境界に位置する標高792mの山です。金剛山地の西南に位置し、大阪50山、奈良百遊[[山]]にも指定されています。

特徴

神福山は、スギやヒノキが生い茂る円錐形の山容が特徴的な山です。かつては天狗峯とも呼ばれ、葛城修験の霊場の一つとして知られていました。山頂部は樹林帯に覆われており、残念ながら展望は開けていません。

山頂には笹尾神社の小さな祠があり、南北朝時代に楠木正成が築いたとされる笹尾塞の跡が残っています。また、神福山は五條市側の麓にある青竜院大澤寺の山号でもあります。大澤寺は白鳳時代に役行者によって開かれたと伝えられる密教霊場です。

山頂には二つの祠があり、その一つは高天佐太雄神社です。高天彦神社、高天岸野神社とともに、金剛山南麓に鎮座する高天三山を構成する神社の一つです。高天三山は、古代から山の神を祀ってきた場所であり、高天原を指すとも言われています。『神名帳考証』によれば、祭神は素戔嗚尊とされていますが、現在では神福大金神、龍王神、大久保家祖神の三体を祀っています。もう一方の祠には、高天神社が鎮座しています。

山岳仏教の観点からは、葛城二十八宿第十九番経塚があり、現在も熊野修験者が勤行に励む姿が見られます。江戸時代初期には、この地に神福山神福寺がありましたが、寺坊の衰退により、諸尊は南麓の大澤寺に移され、廃寺となりました。

登山ルート

ダイヤモンドトレール（通称:ダイトレ）は、金剛山地を屯鶴峯から南下し、紀見峠を経て和泉[[山脈]]の岩湧山へと続く道ですが、神福山の山頂付近は大阪側の斜面を迂回するルートとなっています。山頂へ行くには、「神福山と大沢寺」と書かれた大阪府設置の看板がある場所から脇道に入る必要があります。

アクセス

神福山へのアクセス方法はいくつかありますが、いずれの場合も最終的には徒歩での移動が必要です。最短で30分、長い場合は2～3時間程度かかります。

南海電車

南海電車を利用する場合は、難波、新今宮、天下茶屋などから高野線に乗車し、以下の駅で下車します。

紀見峠駅：紀見峠からダイヤモンドトレールを西へ向かい、行者、タンボ山、杉尾峠、行者杉を経由します。天見駅からブンタ谷を通り、西の行者でダイヤモンドトレイルに合流することも可能です。
河内長野駅：南海バスで石見川まで行き、行者杉から東へ向かいます。

近鉄電車

近鉄電車を利用する場合は、大阪阿部野橋駅、古市駅などから富田林駅へ行き、金剛バスに乗り換えて千早ロープウェイ前で下車します。そこから東條山方面へ徒歩で向かい、千早峠を経由するルートがあります。

金剛山から

金剛山からは、ダイヤモンドトレールを南下し、伏見峠、久留野峠、中葛城山、高谷山、千早峠を経由します。

関連項目

* 青龍院大澤寺

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