福ノ里邦男

福ノ里邦男：野球から大相撲へ、そして指導者へ

福ノ里邦男（ふくのさと くにお）は、1961年6月4日、岩手県九戸郡軽米町に生まれた元大相撲力士である。本名は福田邦男。身長180cm、体重は現役時代107kg、現在は94kg。得意技は右廻し、上手投げ、寄り。最高位は東十両13枚目（1989年9月場所）を記録した。

中学から高校時代までは野球に打ち込み、野球部員として活躍した。しかし、上級生との不仲が原因で高校2年の途中で野球部を退部。その直後、二十山親方（元関脇・青ノ里）との出会いによって人生の転機が訪れる。岩手県立軽米高等学校を中退し、立田川部屋に入門。1978年7月場所に初土俵を踏んだ。

入門後、順調に番付を昇進させた。1978年9月場所では序ノ口優勝という華々しいデビューを飾る。しかし、恵まれた体格とは言えなかったため、幕下時代には長い間苦戦を強いられた。それでも、持ち前の粘り強さと、右廻しからの寄りを武器に、着実に技量を磨いていった。

地道な努力が実を結び、1988年9月場所から6場所連続で勝ち越しを記録。そして1989年9月場所、悲願の十両昇進を果たした。しかし、十両での成績は5勝10敗と振るわず、1場所での幕下陥落という苦い経験もした。その後も幕下上位で活躍を続け、常に上位を争う力士として存在感を示し続けた。

1993年5月場所、東幕下3枚目で2勝5敗の成績に終わったものの、音羽山部屋の若者頭に欠員が出たことから、転身の打診を受ける。現役生活に終止符を打ち、同年5月場所後、若者頭に就任した。

力士としての生涯成績は、96場所に出場し333勝294敗7休、勝率.531を記録。十両での成績は1場所で5勝10敗、勝率.333だった。主な成績としては、三段目優勝1回（1983年1月場所）、序ノ口優勝1回（1978年9月場所）がある。

改名歴としては、初土俵から1980年9月場所までは福田邦男、1980年11月場所から1991年11月場所までは福ノ里邦男、1992年1月場所から1993年5月場所までは福之里邦男として活躍した。

2021年4月10日には、新型コロナウイルス感染が日本相撲協会から発表された。発熱と倦怠感のため抗原検査を受け、陽性と判定された。自宅で隔離され、保健所の指示に従い療養に専念。濃厚接触者についても調査が行われた。

福ノ里邦男は、野球部員時代からの経験、大相撲力士としての地道な努力、そして指導者としての新たな道を歩むなど、波乱万丈の人生を送ってきた。その経験は、後進の指導にも生かされていることだろう。

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