福原吉春

福原 吉春

概要

日本の著名なアルペンスキーヤー、福原吉春（ふくはら よしはる）は、1942年2月10日に生まれ、1975年9月23日頃にその生涯を終えました。北海道磯谷郡蘭越町出身で、国内トップレベルの実績に加え、冬季オリンピックにも二度出場するなど、国際舞台でも活躍を見せました。

アマチュア時代から日本代表へ

北海道倶知安農業高等学校を経て明治大学へ進学した福原吉春は、大学3年時の1963年に才能を開花させます。第41回全日本スキー選手権大会のアルペンスキー競技において、滑降と回転の二種目で頂点に立ち、二冠を達成しました。この活躍が認められ、同年、北海道スポーツ賞を受賞しています。

国際舞台への挑戦も始まり、1964年1月19日にはオーストリアで開催されたゴルデック国際スキー大会の回転競技で優勝を飾りました。同年に開催された第9回オリンピック冬季競技大会（インスブルック）には日本代表として出場。滑降では45位、回転で23位、大回転で25位という成績を残しました。その後も海外での経験を積み、1965年1月にはスイスでのラウバーン国際スキー大会に参加し、男子滑降で43位、男子回転レースで14位となりました。

国内での強さは継続され、1966年には第44回全日本スキー選手権大会アルペンスキー競技で再び滑降と回転の二種目を制覇しました。同年2月12日にはイタリアのトリノで行われたユニバーシアード冬季大会の男子滑降で11位に入賞。さらに、同年8月10日にはチリのポルティーヨで開催されたアルペンスキー世界選手権の男子大回転競技に出場し、36位となりました。1967年2月11日にはイタリアのタルヴィージオで開催されたタオスタ杯国際アルペンスキー大会の回転競技で13位という結果を残しています。

二度目のオリンピックとプロ転向

1968年、福原は二度目のオリンピック出場を果たします。フランスのイゼール県、グルノーブルで開催された第10回オリンピック冬季競技大会に出場しましたが、この大会では滑降54位、回転は残念ながら失格、大回転は50位という成績に終わりました。

この大会後、彼は所属していたゴールドウィンを退社。同年6月には日本で初めて設立されたプロ・スキー・レーサー協会に参加し、プロスキーヤーとしての新たな道を歩み始めました。

若すぎる死

プロ転向後、スキー学校の経営などを行っていたとみられますが、1975年10月3日午前8時頃、福原が新潟県中頸城郡妙高高原町にあった自身の「福原プロスキー学校」で死亡しているのが、学校の留守番をしていた人物によって発見されました。警察の捜査によれば、知人の借金の肩代わりやスキー学校の経営難を苦にしたガス自殺と推測され、死亡日は9月23日頃とされています。

関連文献

福原吉春に関する文献としては、以下のものがあります。

近藤日出造「世界の強豪に若さでいどむ 日出造対談」『週刊読売』第27巻第54号、読売新聞社、1968年12月、88-95頁
今野順哉『二人のオリンピアン 福原吉春 気田義也』らんこし作家デビュー・プロジェクト、2014年11月

これらの文献は、彼の競技生活や人物像を知る上で貴重な資料となっています。

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