福山港

福山港の概要

福山港（ふくやまこう）は、広島県福山市に位置する重要な港湾です。この港は広島県によって管理され、1963年4月1日に港湾法に基づき重要港湾として認定されました。さらに、福山港は特定港としても位置づけられ、隣接する岡山県の笠岡港の港町地区も同じく港則法、関税法、検疫法、入国管理法、港湾運送事業法に基づき、福山港の一部とみなされています。

地域の区分

福山港は主に三つの地区に分けられます：箕島（みのしま）地区、箕沖（みのおき）地区、そして鞆（とも）地区です。江戸時代に開設された旧福山港とは混同しないようにするため、現在はその地域を内港と呼び、港湾機能は持たなくなっていますが、周辺地域の名前としては残されています。鞆地区は1961年6月に福山港へ組み込まれ、地域の発展に寄与しています。

福山港は備後都市圏の物流を支援する重要な役割を果たしています。1997年には日韓定期航路と日中定期のコンテナ航路が開設され、その利便性が向上しました。2005年3月には広島県が運営する国際コンテナターミナル（第1バース）が完成し、輸出入量の増加に対応しています。特にJFEスチール西日本製鉄所の福山地区からの貨物は多く、これにより港の取扱量は増大しています。中国地方での港湾輸出入額においては、岡山県の水島港に次ぐ規模を誇ります。

貿易量の動向

貿易と貨物の取り扱いは、年々増加傾向にあり、地元経済界からは第2バースの建設要望がなされてきました。これを受けて2007年に整備が始まり、2011年4月に供用開始されました。しかし、第2バースの運用開始後、貨物取扱量は逆に減少傾向となり、2015年には第1バース開設時とほぼ同じ水準に戻っています。

旅客航路の運行状況

福山港ではいくつかの旅客航路が運行されています。鞆港から走島間の航路や、仙酔島間の市営渡船、さらには春から秋にかけての週末限定で提供される瀬戸内クルージングなどがあります。一方で、福山港と多度津港を結ぶ航路は2008年に廃止され、四国へ向かうフェリーはなくなってしまいました。

国際コンテナ航路

福山港には韓国や中国との国際航路も開設されています。韓国への航路は高麗海運や興亜海運によって運行され、釜山港へのアクセスがあります。また、中国への輸出入には神原汽船や民生輪船の協力により、大連港、青島港、上海港などへの便が設けられています。これらの航路は地域の貿易を支える重要な要素となっています。

付属の施設と関連企業

福山港周辺には多くの関連施設が存在します。JFEスチール西日本製鉄所や海上保安庁、財務省の税関、広島検疫所などが立地しており、港の機能を補完しています。また、福山市の消防局や流通センターもこの地域の安全と経済活性化に寄与しています。

福山港は備後都市圏の物流拠点としてだけでなく、国際的な貿易の重要な起点としての役割も果たしており、今後の発展が期待されています。

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