福岡市立百道中学校

福岡市立百道中学校

福岡市立百道中学校は、福岡県福岡市早良区百道三丁目18番11号に所在する公立中学校です。日本の戦後教育改革の一環として、1947年（昭和22年）4月16日に設立されました。

学校の創立当初は、仮の学び舎として福岡県立修猷館高等学校内に設けられていましたが、その年の12月には、現在の百道三丁目の地が恒久的な校地として決定されました。この場所は、1989年に開催されたアジア太平洋博覧会「よかトピア」のための百道浜埋め立て事業が進む以前は、ほぼ百道海岸に隣接しており、海岸を守る防風林の役割を担っていた松林の中に校舎が建設されるという、自然豊かな環境でした。

開校当時は広大な百道松原が学校を取り囲んでいましたが、その後の急速な都市化により周辺の風景は大きく様変わりしました。旧百道中学校の敷地の一部を利用して福岡インターナショナルスクールが建てられ、また、グラウンド拡張のために海岸側の松の一部が伐採されました。さらに、周辺地域では高層マンションなどの建設が相次ぎ、かつての松林は失われ、現代的な市街地へと変貌を遂げました。

学校の歴史を振り返ると、創立から間もない1948年9月には校歌と校章が制定され、学校の象徴が確立されました。同年には校舎も完成し、落成式が行われ、教育活動が本格的に始まりました。最初の卒業生は1950年3月に送り出されました。創立以来、節目の年には記念式典が執り行われ、その歴史と伝統が引き継がれています。また、1955年には室見分校が開設されましたが、この分校は翌年には福岡市立高取中学校として独立を果たしています。

教育環境の整備にも力が注がれてきました。創立以来、校舎や体育館、プールなどの施設整備が進められ、特に1980年代以降は大規模な改築や増築により学習環境の近代化が図られてきました。給食開始、空調設備設置、教育相談室設置など、生徒の学びと生活を支える環境整備も継続的に行われています。常に生徒たちがより良い環境で学べるよう、改善が続けられています。

福岡市立百道中学校は、社会の様々な分野で活躍する多くの卒業生を輩出してきました。著名な出身者としては、女優の井桁弘恵さんや椎名林檎さん（シンガーソングライター）、伊東たけしさん（サックス・ウインドシンセサイザー奏者）、比江島慎さん（プロバスケットボール選手）、医学者で元九州大学総長の石橋達朗さん、元福岡県知事の小川洋さんなどが代表的な例として挙げられます。芸術、音楽、スポーツ、学術、政治、実業界など、多岐にわたる分野で多くの卒業生が活躍しています。

学校が位置する周辺エリアは、教育機関が集積する文教地区としての特色を持っています。西南学院大学・高等学校や福岡県立修猷館高等学校といった高等教育機関が近隣にあるほか、福岡市立百道小学校なども近くにあり、地域全体として教育への関心が高い環境です。また、福岡タワー、福岡市総合図書館、福岡市博物館、早良区役所など、文化施設、行政機関、公共施設も多数立地しており、利便性が高く、教育活動だけでなく地域社会との連携にも恵まれた立地と言えます。このような環境の中で、百道中学校は地域に根差した教育活動を続けています。

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