福田正義

福田正義：激動の時代を駆け抜けた政治活動家の生涯

福田正義（ふくだ まさよし）は、1911年1月1日に生まれ、2001年12月23日に没した日本の政治活動家です。彼は日本共産党（左派）中央委員会議長、長周新聞社主幹として知られています。彼の生涯は、日本の政治が大きく変動した時代と深く関わっています。

生い立ちと初期の活動

福田正義は山口県下関市出身で、1928年3月に下関商業実践学校を卒業しました。1939年頃から満鉄社員会で左翼活動に関わり始めます。しかし、1943年に日本の植民地政策を賛美する本『後藤新平』を出版したことが、後に彼を苦しめることになります。この過去を隠し通したため、後に日本共産党から批判を受けることになりました。

1945年には日本人民主連盟在華共産主義者同盟に参加し、1947年1月に帰国後、全駐留軍労働組合で活動しました。

日本共産党入党と原水爆禁止運動

1947年、福田は日本共産党に入党し、党山口県西部地区委員長に就任します。1948年には党山口県委員となりました。1949年には党山口県常任委員、党中国地方常任委員に就任し、被爆直後の広島で原水爆禁止運動を開始しました。しかし、当時の共産党中央はアメリカ占領軍を解放軍と規定していたため、この運動は党内で非難されました。

1950年8月には、戦後初の原水爆禁止集会を強行しました。当時非合法であったこの集会の模様は、詩人・峠三吉の詩『1950年8月6日』に記録されています。翌年からは合法的に原水爆禁止広島集会が開催され、数年後には世界大会が開催されるようになりました。

日本共産党からの除名と長周新聞創刊

1950年、いわゆる「50年問題」の際、福田は日本共産党臨時指導部より除名されます。1951年には『平和と独立』編集部に在籍し、1952年には『アカハタ』中国総局長に就任しました。

1952年、福田の指導により劇団はぐるま座が結成され、1955年には『長周新聞』を創刊しました。この頃から彼は毛沢東思想に傾倒していきます。

日本共産党（左派）結成

1966年9月、福田は日本共産党から分裂し、日本共産党山口県委員会（左派）を結成します。1969年11月には、同じく親中国派である寺尾五郎らとともに日本共産党（左派）を結成し、中央委員会議長に就任しました。

その後の思想遍歴

1970年代に中国とアメリカの関係が改善し始めると、福田は中国を批判するエンヴェル・ホッジャに傾倒します。その影響で、共産党左派もアルバニア派となりました。ホッジャ死去後は再び毛沢東思想に戻りました。

死去と遺産

2001年12月、福田正義は心不全により90歳で死去しました。彼の活動は長男である福田槐治が継承しました。福田槐治は、北京空港事件に関与したとされています。

著書一覧

『後藤新平』満州日日新聞東京支社出版部、1943年
展望前後 - 福田の「戦前の斗い」をまとめたもの
猿とインテリ - 『門司新報』でのコラム集
幾千万大衆と共に - 長周新聞論
原水禁・平和運動論
文化・芸術論
教育論
安保斗争論
労働運動論
国際連帯論
教育・文化論
原水禁・基地斗争論
市政市民論
新年号社説集
* 戦争について

福田正義の生涯は、日本の共産主義運動の複雑な歴史と、その中で変遷する思想を象徴しています。彼の活動は、今もなお議論の対象となっています。

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