秀湊忠司

秀湊 忠司 (ひでみなと ただし) の生涯

秀湊忠司は1926年5月5日に徳島県板野郡栄村に生まれ、本名は平野忠（ひらの ただし）です。彼は出羽海部屋で相撲界に身を投じ、1955年1月場所には新入幕を果たしました。身長173cm、体重105kgの体格を持ち、得意技は右四つからの下手投げや下手捻りでした。彼の相撲スタイルは、華やかさよりも地味な技を重視したものでした。

幼少期と入門

秀湊は4人兄弟の長男として育ち、下に3人の弟がいます。彼の弟たちもそれぞれ相撲で名を成すことになります。地元の公立農業学校、板西農蚕学校を中退した後、相撲の道に進むことを決意しました。そのきっかけとなったのは、同じく徳島県出身の元小結・東雲衑藏からの勧めでした。15歳で出羽海部屋に入門し、1942年5月場所で初土俵を踏みました。

戦争と復帰

1945年6月、彼は徴兵され、戦場に赴きますが、約5ヶ月後には帰還します。戦争から戻った秀湊は、しばらくの間、幕下上位の壁を越えることに苦しみましたが、1951年1月には十両へ昇進しました。この昇進は彼にとって大きな進展でした。

新入幕とキャリア

1955年1月、秀湊は約12年8ヶ月の現役生活を経て新入幕を果たしましたが、以後は幕内上位には進めず、自己最高位は東前頭17枚目で留まることになりました。彼の取り口は非常に地味で、右四つから下手投げや下手捻りを駆使して対戦を続けました。

引退後の生活

1959年1月場所限りで相撲界から離れた秀湊は、その後、大阪府内で相撲料理店や運送会社を経営しました。相撲界を離れた後も、彼はビジネスで成功を収め、後には堺市でアパート経営を行い、落ち着いた生活を送ることになります。

最期

秀湊忠司は1995年6月4日、肝臓癌と闘いながら、堺市内の病院で67歳の生涯を終えました。

戦績と四股名の変遷

彼の通算成績は312勝321敗18休1分で、勝率は.493、幕内成績は23勝37敗、勝率は.383でした。現役在位は52場所、幕内在位は4場所と、彼の相撲人生は決して華やかではありませんが、努力の結晶ともいえるものでした。四股名は「小平野」から始まり、平野、若置山を経て、最後は秀湊忠司として知られました。

このように、秀湊忠司は相撲界において地味ながらも堅実な力士として知られ、引退後もその人生を多彩に展開しました。彼の努力と情熱は、相撲の世界において多くのファンに愛されたことでしょう。

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