秋山昌廣

秋山昌廣

秋山昌廣（あきやま まさひろ、1940年5月15日 - ）は、日本の官僚、研究者です。大蔵省（現財務省）と防衛庁（現防衛省）で要職を歴任し、特に防衛事務次官として安全保障政策に深く関与しました。退官後は、財団の理事長や大学教授として活躍しました。東京都出身で、血液型はB型です。

生い立ちと学歴

秋山氏は、東京都港区で生まれました。父親は茨城県出身、母親は東京都出身です。東京都立日比谷高等学校を経て、1964年に東京大学法学部第3類（政治コース）を卒業しました。大学では政治学を専攻し、その後のキャリアの基礎を築きました。

大蔵省入省から防衛庁へ

1964年、秋山氏は大蔵省に入省しました。同期には、野田毅、田波耕治、野口悠紀雄、高橋厚男、涌井洋治、杉崎重光、野口卓夫など、後に各界で活躍する人物がいます。

大蔵省では、主計局総務課を皮切りに、理財局資金課、帯広税務署長、銀行局中小金融課、関税局総務課など、様々な部署を経験しました。特に、主計局では予算編成の中核を担い、外務省研修を経て、在カナダ日本国大使館参事官として海外勤務も経験しました。

その後、主計局主計官として外務、通産、経済協力を担当した後、奈良県警察本部長、大蔵省関税局総務課長、東京税関長などを歴任しました。1990年には大臣官房審議官（銀行局担当）に就任し、その後防衛庁に移り、長官官房審議官、人事局長、経理局長、防衛局長を歴任し、1997年に防衛事務次官に就任しました。

防衛事務次官として

防衛事務次官として、秋山氏は日本の安全保障政策を担いました。冷戦後の新たな安全保障環境に対応するため、防衛政策の策定や日米同盟の強化に尽力しました。また、防衛交流の推進にも力を入れ、国際社会における日本の役割を拡大しました。

退官後の活動

1998年に防衛事務次官を退官後、秋山氏はハーバード大学ケネディスクール研究員として研究活動に従事しました。その後、海洋政策研究財団（シップ・アンド・オーシャン財団）会長、立教大学大学院教授、公益財団法人東京財団理事長など、様々な役職を歴任しました。

著書

秋山氏は、その経験と知識を活かし、著書も執筆しています。

『日米の戦略対話が始まった　安保再定義の舞台裏』亜紀書房、2002年
『元防衛事務次官秋山昌廣回顧録　冷戦後の安全保障と防衛交流』真田尚剛・服部龍二・小林義之編、吉田書店、2018年

これらの著書では、日米の安全保障対話の舞台裏や、冷戦後の安全保障政策について詳細に解説しています。

受賞

2012年、秋山氏は平成24年度春の叙勲において、瑞宝重光章を受章しました。これは、長年の公務における貢献が評価されたものです。

評価

秋山昌廣は、大蔵・防衛官僚として、日本の財政・安全保障政策に多大な貢献を果たしました。その幅広い経験と知識は、退官後も様々な分野で活かされており、日本の政策立案や国際交流に大きな影響を与えています。

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