田波耕治

田波耕治の生涯と業績



田波耕治(たなみ こうじ、1939年9月10日 - )は、日本の大蔵官僚です。東京府(現在の東京都)出身で、父は弁護士の田波芳三です。東京都立日比谷高等学校から東京大学文科一類に進学し、東京大学法学部第1類(私法コース)を卒業しました。大学時代は東大法律相談所に所属し、国家公務員上級甲種試験(法律)に合格して、1964年大蔵省に入省しました。

大蔵官僚としてのキャリア



大蔵省入省後、大臣官房文書課を皮切りに、経済企画庁、坂出税務署長、外務省在アメリカ日本国大使館などを経て、理財局資金第二課長補佐に就任しました。その後、福田赳夫、村山達雄、大平内閣の各蔵相の下で大臣秘書官を務めました。主計局では、主計企画官、主計官(防衛担当、地方財政担当)などを歴任し、税制第一課長、大臣官房秘書課長、主計局次長などを経て、1993年に大臣官房総務審議官に就任しました。1994年には理財局長に就任し、1996年には内閣官房内閣内政審議室長に就任しました。

大蔵事務次官と大蔵省改革



1998年1月には、大蔵スキャンダルの影響で事務次官候補であった同期の涌井洋治が更迭されたことを受け、内閣内政審議室長から大蔵事務次官に異例の抜擢を受けました。大蔵事務次官として、大蔵省改革に取り組みました。1999年7月に大蔵省を退官しました。

国際協力銀行での活躍



退官後は、国際協力銀行総裁に就任し、2007年10月には総裁に就任しました。国際協力銀行では、国際金融や政府開発援助の円借款供与を指揮し、発展途上国の通商活動の支援に取り組み、国際機関や日本国外の金融当局との信頼関係を築きました。

日本銀行総裁人事とその後



2008年3月には、日本銀行総裁候補として国会に提示されましたが、参議院本会議で不同意となり、総裁就任は見送られました。その後、国際協力銀行総裁を退任し、格付け投資情報センター顧問、三菱UFJ銀行顧問などを務めました。

人物像と政治姿勢



田波耕治は、清廉かつ温厚な人柄と評され、その人望と高い組織運営能力は多くの人々に評価されています。旧大蔵省の省益を守る為、金融・財政の分離阻止を主導した人物としても知られています。

同期入省



同期には、野田毅野口悠紀雄涌井洋治、加藤隆俊、高橋厚男、坂本導聡、瀧川哲男、竹内克伸などがいます。

現在の役職



現在、株式会社三菱UFJ銀行顧問、公益財団法人笹川平和財団評議員、公益財団法人国際通貨研究所評議員、公益財団法人小笠原敏晶記念財団理事、公益財団法人日本法制学会理事を務めています。

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