杉崎重光

杉崎重光の経歴

杉崎重光は、1941年に東京で生まれ、日本の大蔵官僚として、また国際的な金融の舞台で活躍した人物です。

生い立ちと学歴

杉崎は東京都立大学附属高等学校を経て、東京大学教養学部教養学科を卒業しました。在学中に国家公務員上級甲種試験（経済）に合格しています。1964年、大蔵省に入省し、行政官在外研究員制度を利用してコロンビア大学へ留学しました。1967年には、同大学大学院で国際関係論の修士課程を修了しています。米国留学組には、藤原武平太などがいます。

大蔵省でのキャリア

帰国後、杉崎は主税局国際租税課租税協定係長としてキャリアをスタートさせました。その後、地方勤務で左京税務署長を務めます。1971年には国際金融局総務課長補佐、1974年には主税局国際租税課長補佐、1976年にはアジア開発銀行総裁補佐官、1979年には大平正芳内閣の大蔵大臣秘書官と、様々な役職を歴任しました。1980年には石川県総務部長、1982年には大臣官房参事官、1985年には主税局国際租税課長、1986年には主税局調査課長、1988年には主税局総務課長、1989年には名古屋国税局長、1990年には大臣官房参事官（副財務官）、1991年には大臣官房審議官（国際金融局担当）と、着実にキャリアを積み重ねています。

1992年には東京国税局長に就任、1993年には証券取引等監視委員会事務局長を務めました。大蔵省時代には、税制や国際金融の分野で重要な役割を果たしました。

国際通貨基金（IMF）での活躍

1994年、杉崎は日本人初のIMF特別顧問に就任し、1997年から2004年までアジア枠のIMF副専務理事を務めました。IMFでは、アジア地域の経済安定化や国際金融システムの強化に貢献しました。

実業界への転身

IMF退職後は実業界に転身し、損害保険ジャパン顧問および損保ジャパン総合研究所理事長に就任しました。2007年からはゴールドマン・サックス証券副会長として、日本部門を担当しました。実業界でも、その豊富な経験と知識を活かし、リーダーシップを発揮しました。

大蔵省同期

杉崎の大蔵省同期には、野田毅（元自治大臣）、田波耕治（大蔵事務次官）、涌井洋治（JT会長）、加藤隆俊（IMF副専務理事）、野口悠紀雄（経済学者）、坂本導聡（経済企画庁総合計画局長）、秋山昌廣（防衛事務次官）、竹内克伸（国土事務次官）など、各界で活躍した人物がいます。

著書

杉崎は、『インド・パキスタンの投資関連税制便覧』（1986年、アジア経済出版会）を編纂しています。これは、投資に関する税制の専門的な知識を提供するものです。

杉崎重光は、大蔵官僚として、また国際金融の専門家として、日本の経済と国際社会の発展に大きく貢献した人物と言えるでしょう。

もう一度検索