秩父鉄道三ヶ尻線

三ヶ尻線の概要

三ヶ尻線（みかじりせん）は、埼玉県深谷市に位置する武川駅から熊谷市の三ヶ尻駅までを繋ぐ、秩父鉄道が運営する完全な貨物専用の鉄道路線です。この路線は、かつては三ヶ尻駅からさらに熊谷貨物ターミナル駅に至るまでが利用されていましたが、2020年12月31日をもってその区間は廃止されました。

基本データ

• - 路線距離（営業キロ）: 3.7 km
• - 軌間: 1,067 mm
• - 駅数: 2駅（武川駅、三ヶ尻駅）
• - 複線区間: なし（全線単線）
• - 電化区間: 全線（直流1,500 V）
• - 閉塞方式: 自動閉塞式
• - 最高速度: 50 km/h

運行形態と輸送内容

この路線は貨物専用ということで、旅客列車の運行は行われません。主にセメントの原料として石灰石を影森駅または武州原谷駅から、三ヶ尻の工場へと輸送する役割を担っています。以前は、他にも燃料として重油や石炭を運ぶ列車などが運行されていましたが、現在では石灰石の搬送が中心となっています。

歴史

三ヶ尻線は、上越新幹線の建設に伴い、熊谷駅での貨物取扱が廃止され新設の熊谷貨物ターミナル駅への移管が決定されたことを受けて、1979年に開業されました。開業当初は秩父セメント（現在の太平洋セメント）熊谷工場への輸送専用に設計された部分が多く含まれ、一部専用線を転用して整備されました。

開業当初から、セメント輸送を中心に運行され、多くの貨車が利用されました。例えば、セメントにはホキ5700形やコタキ1900形などが使用されました。重油や石炭輸送も行われていましたが、これらの輸送業務は徐々に減少し、2020年3月14日には石炭の輸送が廃止されました。それに伴い、同年9月30日までに他の貨物輸送も段階的に廃止され、三ヶ尻 - 熊谷貨物ターミナル間は利用されなくなりました。

現在の状況

三ヶ尻線の現在の運行は影森からの鉱石輸送に特化しており、ヲキ・ヲキフ100形の20両編成が運用されています。熊谷貨物ターミナルから新たに運ばれてくる貨物も、同路線経由で各地へと輸送されていましたが、今後の新たな貨物輸送の見込みが立たない状況にあります。

駅の一覧

• - 武川駅: 秩父鉄道秩父本線接続
• - 三ヶ尻駅: 貨物駅

廃止区間

• - 三ヶ尻駅 - 熊谷貨物ターミナル駅: 2020年12月31日付で廃止

この鉄道路線は、貨物輸送の重要な役割を果たしてきたものの、近年の需要の変動によって大きな変革を迎えつつあります。特に、廃止された区間についての影響は、地域の物流にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目が集まっています。

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