称願寺

称願寺（しょうがんじ）

称願寺は、山梨県笛吹市に位置する時宗の仏教寺院で、歴史ある文化遺産が数多く存在しています。1292年、鎌倉時代の正応5年に他阿真教によって建立されました。この寺院は、開基である黒駒讃岐守の意志を受け継いでおり、地元の人々にとっても大切な存在です。

歴史的背景

称願寺が立地する笛吹市上黒駒は、甲府盆地南東部に位置し、笛吹川の支流金川の左岸に位置しています。この地域は、古代から中世にかけて重要な官道であった甲斐路や鎌倉街道の交差点にあたり、交通の要所として栄えてきました。近世には上黒駒村が形成されるなど、地域の発展にも深く関わっています。

他阿真教は、甲斐国内での布教活動を行い、その足跡は時宗寺院の分布に見ることができます。同じく時宗の名刹である一蓮寺や西念寺、長泉寺などが彼の布教活動の影響を受けています。称願寺は、「甲斐百八霊場」の第34番としても知られています。700年の歴史を記念して、近隣に養護老人ホームも設立されました。

文化財

称願寺には、重要文化財に指定されている「木造他阿上人真教坐像」があります。これは、鎌倉時代に制作された他阿真教の等身大の肖像彫刻で、木造・彩色・玉眼嵌入の技法が施されています。高さは83.5センチメートルで、人物は病により顔が歪んだ姿で合掌して座っています。真教の肖像彫刻としては、他にも神奈川県に伝わる寿像と並んで重要な作品とされています。

また、称願寺の境内には、山梨県指定の天然記念物であるサクラも存在します。このように、称願寺は文化的、自然的価値が高い場所でもあります。

その他の特徴

称願寺の歴史資料には、享禄2年（1529年）の武田信虎の判物が残されており、歴史的な重要性を物語っています。境内には、上黒駒村出身の博徒である黒駒勝蔵の墓があり、彼の肖像画も所蔵されています。この肖像画は縦86.9センチメートル、横56.3センチメートルの大きさであり、勝蔵と天皇との関係が強調されています。

交通アクセス

称願寺へは、東日本旅客鉄道中央本線の石和温泉駅からバスで約20分の距離にあります。道場バス停留所で下車し、徒歩で数分歩くと寺に到着します。

このように、称願寺は歴史、文化、自然が融合した魅力的なスポットで、訪れる人々に深い感動を与えています。

もう一度検索