移動無線センター

一般財団法人移動無線センター（MRC）について

一般財団法人移動無線センター（The MRC Foundation、略称：MRC）は、MCA無線（第三者無線）をはじめとする陸上移動業務の無線局の設備提供および管理を行う日本の一般財団法人です。

概要

1964年、陸上移動業務の無線局設備提供・管理を目的に、財団法人移動無線センター（現在の関東センターに相当）として設立されました。最初の事業は、東京城西旅客自動車事業協同組合（現東京無線協同組合）の集中基地局でした。

集中基地局とは、複数のタクシー事業者の基地局を特定の場所に集約する方式です。1981年には、同組合がAVM（車両位置等自動表示システム）サービスを開始する際、サインポスト（無線標定陸上局）の設備提供・管理も行いました。

当初、基地局や無線標定陸上局の免許人は無線システムを利用する企業・団体であり、MRCは支援に徹していました。しかし、1982年にMCA無線が制度化されると、MRC自ら制御局（陸上移動中継局）の免許を取得し、事業主体として活動を開始しました。関西地方には、別法人として近畿移動無線センターが設立されました。

その後、各地に移動無線センターが開設され、1986年には東北移動無線センターの設立をもって、全国を8つの財団でカバーする体制が確立しました。2009年には、これら8財団が合併し、法人として単一の「移動無線センター」となりました。2012年には、一般財団法人へ移行しています。

事業内容

MCA無線事業

MRCは、全国に制御局を開設し、地方自治体や民間企業向けに業務用移動通信サービスを提供しています。MCA無線制度化当初はMRCの独占事業でしたが、1986年にモトローラ（後に日本移動通信システム協会（JAMTA）へ移管）が参入しました。しかし、2014年3月にJAMTAが撤退し、再びMRCの独占事業となっています。

基地局事業

MRCは、タクシー無線、防災行政無線、新聞・放送事業者の取材用無線など、様々な用途の無線設備を提供し、保守・管理も行っています。

沿革

1964年（昭和39年）
5月21日：郵政省が、大都市における移動無線の集中基地局採用を決定
5月26日：設立準備委員会を開催
6月23日：財団法人の設立許可
7月2日：財団法人移動無線センター設立
1965年（昭和40年）4月：集中基地局事業開始
1981年（昭和56年）7月：AVMサービス開始
1982年（昭和57年）
9月13日：郵政省が陸上移動中継局・MCA陸上移動通信を制度化
10月25日：MCA無線サービス（800MHz帯アナログ）開始
11月：財団法人近畿移動無線センター設立
1983年（昭和58年）11月：財団法人東海移動無線センター設立
1984年（昭和59年）
9月：財団法人北海道移動無線センター設立
10月：財団法人九州移動無線センター設立
1985年（昭和60年）
8月：財団法人中国移動無線センター設立
10月：財団法人信越移動無線センター設立
1986年（昭和61年）3月：財団法人東北移動無線センター設立
1988年（昭和63年）11月：北海道から沖縄までMCAサービスエリアが拡大
1990年（平成2年）
6月18日：郵政省が1.5GHz帯を制度化
11月：1.5GHz帯アナログMCA無線サービス開始
1993年（平成5年）3月10日：郵政省がデジタルMCA陸上移動通信を制度化
1994年（平成6年）4月：1.5GHz帯デジタルMCA無線サービス開始
2003年（平成15年）10月：800MHz帯デジタルMCA mcAccess eサービス開始
2009年（平成21年）4月：全国8財団が合併し「財団法人移動無線センター」発足
2012年（平成24年）4月：一般財団法人へ移行
2016年（平成28年）9月：mcAccess e+サービス開始
2019年（平成31年）4月22日：総務省が高度MCA陸上移動通信を制度化
2021年（令和3年）4月1日：MCAアドバンス サービス開始

事業所

北海道センター
東北センター
関東センター
信越事務所
沖縄事務所
東海センター
近畿センター
北陸事務所
中国センター
九州センター

その他

各地には「〇〇移動無線センター」という名称で、タクシー無線の集中基地局運営など、MRCと類似の事業を行う法人がありますが、MRCとは無関係です。

脚注

移動無線センター公式サイト

関連項目

第三者無線

外部リンク

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