移動業務

移動業務の詳細解説

移動業務とは、無線通信における移動局と陸上局、または移動局同士間の通信を指す、無線通信業務の一種です。船舶、航空機、陸上など、様々な移動体間の通信をカバーする広範な業務であり、その定義や種類、歴史的変遷は、日本の電波法施行規則に詳細に規定されています。

移動業務の定義

電波法施行規則では、移動業務は以下のように定義されています。移動局と陸上局、あるいは移動局同士間の無線通信業務を包括的に指し、陸上移動中継局を経由する通信も含まれます。

移動局の種類には、船舶局、航空機局、陸上移動局、携帯局などがあり、それぞれの局種に応じて、海上移動業務、航空移動業務、陸上移動業務、携帯移動業務などに分類されます。陸上局には、海岸局、航空局、基地局、携帯基地局などがあります。

移動業務の種類

海上移動業務: 船舶局と海岸局、船舶局同士、船舶局と船上通信局、船上通信局同士、遭難自動通報局と船舶局または海岸局間の通信業務。
航空移動業務: 航空機局と航空局、または航空機局同士間の通信業務。航空移動(R)業務と航空移動(OR)業務に細分化され、前者は主に国内外の民間航空路における安全運航のための通信、後者はそれ以外の飛行調整に関する通信を目的としています。
陸上移動業務: 基地局と陸上移動局、または陸上移動局同士間の通信業務。陸上移動中継局を経由する通信も含まれます。
携帯移動業務: 携帯局と携帯基地局、または携帯局同士間の通信業務。
* 無線呼出業務: 携帯受信設備の携帯者に対して呼出しを行う通信業務。ポケベルのようなサービスが該当します。

移動業務の歴史的変遷

移動業務の定義は、電波法施行規則の改正に伴い、時代とともに変化してきました。

1950年の電波法施行規則制定当初は、海上、航空、陸上の3種類のみが定義されていました。その後、1958年には携帯移動業務、1968年には信号報知業務（現在の無線呼出業務）が追加され、さらに、遭難自動通報局、船上通信局、陸上移動中継局などの新たな無線局種別が定義されるにつれて、移動業務の定義も詳細化、複雑化していきました。

特に、1980年代以降は、携帯電話の普及や無線技術の発展に伴い、携帯移動業務や無線呼出業務の定義が大きく変更されました。これらの変更は、技術革新と社会ニーズの変化を反映したものです。

まとめ

移動業務は、無線通信における移動体間の通信を包括的に扱う重要な業務です。その定義や種類は、電波法施行規則によって厳密に定められており、時代とともに技術革新や社会ニーズの変化を反映して進化してきました。今後も、無線技術の進歩に伴い、移動業務の定義や種類はさらに発展していく可能性があります。

この解説が、移動業務の理解の一助となれば幸いです。

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