稗田一穂

稗田一穂について

稗田一穂（ひえだ かずほ、1920年8月23日 - 2021年3月23日）は、日本を代表する日本画家であり、文化功労者として知られています。彼は東京芸術大学の名誉教授として、また女子美術大学大学院の客員教授として多くの学生に芸術を教え、影響を与えました。また、創画会の会員でもあり、名前を冠した作品や画集が数多く存在します。

幼少期と学び

稗田は和歌山県の西牟婁郡田辺町（現在の田辺市）に生まれました。父である稗田耕一はデザイナーとして活躍しており、彼の影響を受けて稗田は幼少期から芸術に親しむことになります。9歳の頃からは阿倍野橋洋画研究所に通い、絵画技術を磨きました。1933年には大阪市立工芸学校工芸図案科に入学し、その後東京美術学校の日本画科に進学します。1943年には戦争の影響で繰り上げ卒業し、戦後は山本丘人に師事しました。

芸術活動の開始

1948年、稗田は山本丘人や上村松篁らと共に創造美術を結成し、第1回展では奨励賞を受賞しました。その後、新制作派協会との合併により新しい日本画部が設立され、稗田は会員に推挙されました。1966年から1968年にかけては法隆寺金堂の壁画の再現模写に携わり、その経験を後の作品に活かしました。

1970年には東京芸術大学美術学部の日本画科で助[[教授]]に就任し、1972年には教授に昇進。その後、1974年には新制作協会を離れ、創画会を結成しました。1985年には和歌山県文化賞や田辺市文化賞を受賞し、その功績が評価されました。

教育者としての側面

1988年には東京芸術大学を退官し、名誉教授の地位を得た稗田は、1991年に日本藝術院賞と恩賜賞を受賞します。1994年から2007年までの間は女子美術大学大学院で教授として活動し、若い芸術家たちを育成することに尽力しました。

受賞歴と功績

彼の業績は多岐にわたり、1995年には勲三等瑞宝章を受章し、2001年には文化功労者としての称号を得ました。2021年3月23日、老衰により東京都内の病院で逝去し、100年の生涯を閉じました。彼の死は日本画界において大きな損失とされ、叙従四位に昇進されました。

画集と影響

稗田一穂の画集も多く出版されています。中でも、1983年に朝日新聞社から刊行された『稗田一穂画集 昭和11年～昭和58年春』や、1997年に郷土出版社から発表された『稗田一穂 ふるさと紀州を描く 画集』は、彼の作品を通してその視点や情熱を垣間見ることができます。

このように、稗田一穂は芸術教育と創作活動の両面において、日本の文化に大きな貢献を果たし続けました。彼の作品や教えは、次世代のアーティストに受け継がれていくことでしょう。

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