種子島時尭

種子島時堯：日本への鉄砲伝来と国産化に貢献した戦国大名

種子島時堯（たねがしま ときたか、1528-1579）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて種子島を治めた武将であり、種子島氏第14代当主です。時堯は、日本における鉄砲伝来と国産化という歴史的転換点において、中心的な役割を果たした人物として知られています。

鉄砲伝来と国産化への取り組み

1543年、ポルトガル船が種子島に漂着し、その船には日本人が初めて目にする鉄砲が搭載されていました。当時16歳だった時堯は、鉄砲の威力にすぐさま着目し、その購入を決断します。購入後、時堯は入手した鉄砲のうち1挺を、島内の鍛冶職人である八板金兵衛に渡し、国産化を命じました。金兵衛は、時堯の熱意に応えるべく試行錯誤を重ね、ついに日本人の手による鉄砲製造に成功します。こうして誕生した鉄砲は「種子島銃」と呼ばれ、その後の日本の戦国時代における軍事技術革新に大きな影響を与えました。もう1挺の鉄砲は、島津氏を通じて室町幕府将軍・足利義晴に献上されたと伝えられています。

家督相続と外交

時堯は、島津忠良の娘を妻として迎え、島津氏との関係を構築しました。1555年には、島津貴久に従って大隅国攻めに参加するなど、積極的な外交政策を展開しました。しかし、時堯の私生活は複雑でした。島津氏と対立関係にあった禰寝氏から姫を側室に迎え、その間には男子が誕生していたものの、正室はこの事実を知ると激怒し、娘2人を連れて種子島を離れました。その後、正室は肝付兼盛に再婚したと伝えられています。

家督継承と晩年

1560年、時堯は長男の時次に家督を譲りましたが、時次はわずか7歳で夭折したため、時堯は再び家督に就きました。その後、次男の久時に家督を継承させました。時堯は1579年に52歳で亡くなり、種子島氏の初代と二代目の墓所である御坊墓地と御拝塔墓地に埋葬されました。

歴史的意義

種子島時堯の功績は、鉄砲の国産化にとどまりません。時堯は、鉄砲という新しい軍事技術をいち早く導入し、その技術を日本国内で発展させることに成功しました。これは、日本の軍事力、ひいては政治情勢に大きな影響を与え、戦国時代の動向を大きく変えた出来事でした。さらに、島津氏との外交関係をうまく築くなど、政治手腕にも優れた人物であったことがうかがえます。時堯の決断と行動は、日本の歴史の大きな転換点に貢献したと言えるでしょう。

参考文献

『鉄炮記』

関連事項

種子島鉄砲館
* 鉄砲伝来

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