稲村佐近四郎

稲村佐近四郎の生涯と政治経歴

稲村佐近四郎（いなむら さこんしろう）は、1917年1月20日に石川県羽咋市大町に生まれました。彼は安田商工専門学校を卒業後、建設会社の経営に従事し、企業経営者としての実績を積み重ねました。その後、1963年に旧石川2区から衆議院議員選挙に出馬し、見事に初当選を果たしました。これが彼の政治家としてのスタートとなります。

以降、稲村氏は8期にわたり連続当選を果たします。この当選同期には、後に首相となる小渕恵三や橋本龍太郎をはじめとする有名な政治家たちが名を連ねています。彼は初当選以降、自民党の中間派の議員として活動し、大野伴睦や村上勇、水田三喜男派に所属しましたが、これらの派閥が消滅した後は中曽根康弘派に加わることになります。

1977年、福田改造内閣で総理府総務長官と沖縄開発庁長官として初入閣を果たし、1983年には第2次中曽根内閣で国土庁長官と北海道開発庁長官として再入閣します。彼の政治キャリアは順調に思われましたが、その後の展開は衝撃的なものでした。

1986年、稲村氏は日本撚糸工業組合連合会から500万円を受け取ったとして収賄罪で在宅起訴されました。これがいわゆる撚糸工連事件であり、彼はこの事件が引き金となり政界からの引退を余儀なくされます。1989年には東京地裁にて懲役2年6ヶ月（執行猶予3年）と追徴金500万円の有罪判決を受けることになり、これには控訴せず判決が確定しました。

その後、稲村氏は1990年7月29日に脳梗塞により73歳で亡くなりました。彼の死去は、彼の政治的な影響を継ぐ世代にとっても大きな衝撃を与えることとなりました。稲村氏の息子である稲村建男も政治家として活動しており、1990年の第39回衆議院議員選挙で石川2区から出馬しましたが、残念ながら落選しています。

選挙歴

稲村佐近四郎は、長い政治活動を通じて多くの選挙を経験しました。当選の同期となる議員たちと共に、自民党内で影響力のある存在だったことは間違いありません。

関連項目

• - 撚糸工連事件

このように、稲村佐近四郎は政界の重要人物であった一方で、収賄事件に巻き込まれたことでその名は歴史に残ることとなりました。彼の生涯は、政治の光と影を象徴するものとして、今なお語り継がれています。

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