稲美町立図書館

稲美町立図書館

兵庫県加古郡稲美町に置かれている公立図書館です。町の文化拠点として地域住民に親しまれています。

沿革と立地

稲美町立図書館は、平成4年（1992年）11月3日に開館しました。場所は、町の中心部である国安地区に整備された文教エリア「いなみ文化の森」の一角です。この「いなみ文化の森」は、町立文化会館コスモホールやふれあい交流館など、複数の公共施設が集まるエリアで、各施設は上空から見るとそれぞれ異なる図形（図書館は円、交流館は三角形、コスモホールは四角形）に見えるユニークなデザインが特徴となっています。

建築概要と特徴

建物の構造は、高さおよそ10メートル、直径約30メートルに及ぶ木造の円形ドームです。この円形デザインは「いなみ文化の森」における図書館のシンボルとなっています。内部は開放的な空間を重視しており、特に2階に設けられた読書席からは館全体を見渡せるような構造になっています。

館内の延床面積は約860平方メートルで、1階（726平方メートル）には主に書架、カウンター、事務所、書庫が配置されています。2階（79平方メートル）は読書スペースとして利用され、30席の読書席が設けられています。地階（58平方メートル）には機械室があります。

また、館の大きな特徴の一つに、隣接して整備された「図書園」があります。ここでは、館内で借りた本を屋外の緑豊かな環境で読むことが許可されており、天気の良い日には開放的な読書を楽しむことができます。

運営体制

開館当初は稲美町教育委員会による直営で運営されていました。平成17年（2005年）からは指定管理者制度が導入され、NPO法人によって運営されていましたが、平成26年（2014年）に指定管理の申請が取り下げられたため、再び稲美町教育委員会の直営に戻り、現在に至ります。

広域貸し出しサービス

稲美町立図書館は、近隣の自治体との連携による広域貸し出しにも対応しています。神戸隣接市・町長懇話会、東播磨地区図書館等連絡協議会、播磨圏域連携中枢都市圏という3つの枠組みで締結された相互利用協定に基づき、以下の幅広い市町に居住する方も、稲美町民と同様に図書を借りることができます。

対象となる主な自治体は、明石市、相生市、赤穂市、小野市、加古川市、加西市、加東市、神戸市、宍粟市、高砂市、たつの市、西脇市、姫路市、三木市、そして赤穂郡上郡町、揖保郡太子町、加古郡播磨町、神崎郡市川町・神河町・福崎町、佐用郡佐用町、多可郡多可町など、兵庫県内の広範囲にわたります。

アクセス

公共交通機関を利用する場合、JR山陽本線の土山駅から神姫バスの上新田北口行きに乗車し、約15分の「稲美中央公園前」バス停で下車すると、すぐ目の前に図書館があります。
車を利用する場合は、第二神明道路の明石西インターチェンジから北へ約15分、「国岡」交差点を右折して約1キロメートル進むと到着します。

周辺施設

稲美町立図書館の周辺は、「いなみ文化の森」の中心として、文化、教育、スポーツ関連の施設が集まっています。主な周辺施設には、文化会館コスモホール、ふれあい交流館のほか、稲美中央公園、稲美町郷土資料館、いなみ野体育センター、兵庫県立いなみ野特別支援学校などがあります。

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