稲荷山トンネル (京都府)

稲荷山トンネルについて

概要

稲荷山トンネル（いなりやまトンネル）は、京都府京都市の山科区、東山区、伏見区にまたがる東山内に位置する全長2,537メートルのトンネルです。片側2車線の構造で、新十条通の一部を成す自動車専用道路として設計されており、歩行者や自転車、排気量125cc以下の二輪車の通行はできません。トンネルの約3分の1はシールドトンネル形式で開削されており、安全性が考慮されています。

歴史

稲荷山トンネルの建設は1995年3月に始まりました。2006年12月に西行トンネルが貫通し、2007年8月には公募によってトンネル名が決定されました。その後、同年12月3日に東行トンネルが貫通し、2008年6月1日には阪神高速8号京都線のトンネルとして供用が開始されました。2019年4月1日には、山科から鴨川東までの区間が無料開放され、より多くの市民に利用されるようになりました。

利用状況

稲荷山トンネルの利用者層は、当初は主に山科区の中心部に集中していましたが、無料化以降は市の南部や西部にも利用が広がっています。無料化前の通行量は一日平均8,400台でしたが、2019年の無料化後は約19,000台に急増しました。これにより、並行する国道1号線や三条通りの渋滞も緩和傾向にありますが、山科区内では生活道路を通行するトンネル利用者が増加し、新たな交通問題が発生しています。

インフラと特記事項

稲荷山トンネルは琵琶湖疏水の地下を横断しているため、通常は危険物を積載した車両の通行が制限される水底トンネルに該当します。しかし、日本高速道路保有・債務返済機構の審議の結果、危険物運搬車両の通行を禁止または制限する必要はないと判断されました。このため、特別な通行規制は設けられていません。

2007年4月には、西行トンネルの貫通石を使ったお守りが阪神高速道路株式会社から発売され、地元のシンボルとしても知られています。開通当初は、平均利用台数が1日10,000台と予想されていましたが、実際には開通1か月経過後の平均利用台数は2,100台と伸び悩みました。

交通問題と地域への影響

無料化以降、特に山科区側では代替道路が通行されることが増え、五条バイパスから清水焼団地を経由して来る新大石道の南行きで渋滞が発生しています。そのため、京都府警は通学路として利用されている生活道路への安全対策を強化し、横断歩道や一時停止の標識を設置しました。

関連情報

稲荷山トンネルとその周辺の交通状況に関連する情報は、京都市建設局や阪神高速道路の公式サイトで確認することができます。また、他の無料開放された道路一覧も参考になります。

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