穀物メジャー

穀物メジャーの概要

穀物メジャーとは、ダイズやトウモロコシ、コムギなどの穀物を国際的に扱う商社のことを指し、その市場には大きな影響を及ぼしています。1990年代には、世界の穀物流通の約70%が五大穀物メジャーによって管理されていました。これらの企業は、穀物の取引や流通において中核的な役割を担い、食糧供給の安定に寄与しています。

主な企業とその役割

1970年代から1980年代にかけて、穀物メジャーと呼ばれる企業には、アメリカのカーギルやコンチネンタルグレイン、フランスのルイ・ドレフュス、オランダのブンゲ、スイスのアンドレ・ガーナックなどが含まれていました。このうち、クック・インダストリーズはその後倒産し、多くの企業が市場に影響を与えました。新たにアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド（ADM）やコナグラが現れ、現在の業界の主力を形成しています。

1997年のデータによると、アメリカ国内のカントリーエレベーターの上位主要5社による所有は19.5%を占めており、具体的には以下のようになっています：

• - ADM: 387基、533,325千ブッシェル
• - カーギル: 286基、464,091千ブッシェル
• - コナグラ: 100基、210,958千ブッシェル
• - ブンゲ: 53基、173,012千ブッシェル
• - コンチネンタルグレイン: 71基、166,346千ブッシェル

これらの企業は、そのビジネスモデルにより「伝統商社型」「加工業者型」「生産者団体型」「異業種参入型」に分類できます。例えば、カーギルやブンゲ、ルイ・ドレフュスは「伝統商社型」とされ、食料加工業を本業とするADMやコナグラは「加工業者型」と位置づけられています。

最近のトレンドと変化

最近では、業界再編が進行しており、2013年には丸紅がアメリカの穀物取扱会社ガビロンを買収し、グローバルな穀物市場でのプレゼンスを高めています。この動きは、世界の穀物取扱高においてカーギルに次ぐ規模を持つ企業グループの形成につながりました。

1960年代までアメリカ合衆国から東側諸国への穀物輸出は制限されていましたが、1963年にジョン・F・ケネディ大統領の許可を受けてソビエト連邦へのコムギや小麦粉の輸出が始まると、穀物の取引スタイルは大きく変わりました。1972年には、ソビエト連邦が大規模な穀物の購入を行い、アメリカの穀物輸出は余剰在庫処分から国際市場のみを見据えたものに方針を変えました。以降、国際穀物市場での主要プレイヤーとしての地位を確立していくこととなります。

まとめ

穀物メジャーは、国際的な食糧供給において重要な役割を持つ商社群であり、彼らの影響力は日々拡大しています。その過程で、業界再編や企業の統廃合が進んでおり、今後どのような形で市場が変化していくのか、注視する必要があります。

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