積城郡

積城郡の歴史と背景

積城郡（チョクソンぐん）は、かつて京畿道の西北部に位置した行政区域で、三国時代から李氏朝鮮時代にわたる長い歴史を持っています。この地域には現在の坡州市積城面や楊州市南面、漣川郡の一部が含まれていました。もともとは百済の領土であり、その後高句麗に編入された時期や新羅による統一など、さまざまな歴史的な変遷を遂げています。

由来と地理的背景

積城郡の名前の由来は、漣川郡百鶴面や坡州市積城面の地域に由来しています。特に「七重」という名称は、近くを流れる臨津江が屈曲している様子から来ていると考えられています。この地帯では、古代からこの江河を七重河と呼んでおり、実際に地図上でも臨津江の流れが七回屈曲していることが確認できます。

三国時代、積城郡は百済と高句麗の影響下にあり、七重県や難隠別などの名称でも知られていました。百済の統治下から高句麗への移行は長寿王の時期であったとされ、この時に「七重」という名前が付けられました。以降、新羅による統一後には重城県と改称され、さらには高麗時代にもこの名称が引き継がれました。

歴史的な出来事

629年、新羅の真平王の政府が金舒玄と共に積城郡を新羅に編入しました。善徳女王の時代には、地域が戦略的に重要な場所となり、七重城が築かれることになります。この城は三国統一戦争の戦闘地点となり、積城郡の重要性が一層高まりました。

高麗時代に入ると、1018年には長湍郡の属県となり、1106年には監務が設置されました。朝鮮時代には1413年に県監が任命され、1895年には郡に昇格しました。その後の行政改革によって、当初の県は解体され、積城郡は漢城府に属することとなりました。

行政区域の変遷

1914年には行政区域の改編が行われ、積城郡は漣川郡に統合されることとなり、その中心地域は積城面と名付けられました。1945年には朝鮮半島が二分され、積城面もその影響を受けて地理的な変化を強いられました。さらに、1946年には南面が別の行政区域へ移管され、その後1996年には坡州郡が市に昇格し、現在の坡州市積城面となったのです。

娘臂城の歴史的重要性

629年に新羅が占領した娘臂城もこの地域において重要なランドマークです。この城は高句麗と新羅の境界を示す象徴的な存在でした。多くの歴史的な記録がこの城の位置について論じてきましたが、清州市との関連や地域の歴史的な背景も含め、研究が続けられています。特に、新羅による統一時代において、この城は戦略的に重要な役割を果たしました。

結論

積城郡は、その名称や歴史、関連する地名に見られるように、朝鮮の民族的及び政治的変遷の重要な舞台でした。本地域の変遷は朝鮮の歴史全体を理解するうえで欠かせない要素であり、今もその痕跡を感じさせる文化的な遺産となっています。

もう一度検索