穏治村

穏治村の概要

穏治村（おんじそん）は、かつて鳥取県気高郡に属していた自治体で、1896年3月31日までは高草郡の一部でした。この地域は、現在の鳥取市上段、尾崎、上原、細見に該当します。穏治村は千代川の支流である野坂川の中流域に位置し、その名は「穏やかに治まる」という意味合いからきているとされています。

村の中心地は上原地区であり、村が成立する前には、計13の村をまとめる連合戸長役場が設置されていました。穏治村成立後も、この役場や小学校がこの地域に存在することになりました。特に上段地区の全域及び尾崎・上原の一部は世紀小学校の学区に、他の地域は明治小学校の学区に属しています。

沿革の詳細

穏治村の成立までの過程は、1883年に遡ります。この年の4月に、上原村に連合戸長役場が設置されたことが始まりです。続いて1889年の10月1日、町村制が施行され、上段村、尾崎村、上原村、細見村が合併して新たに穏治村が成立しました。合併した際には、旧村名を引き継いだ四つの大字が編成されました。また、この際に明治村との組合役場も設けられました。

その後1896年4月1日には郡制が施行され、気高郡が新たに発足しました。このときに穏治村も気高郡の一部として位置付けられましたが、その後の歴史で1914年2月1日には明治村（初代）との合併が行われ、穏治村は廃止されました。

行政の概要

穏治村の行政運営は、連合戸長役場が主要な機関として機能していました。まず、高草郡上原村に設置された連合戸長役場があり、ここでは村の統治にあたるさまざまな業務が行われました。戸長は数代にわたり、伊奈正之や吉田弥平などがその役割を担いました。

穏治村時代の村長は、多くの有名な歴代の村長たちによって運営されました。中には、加藤直七、伊奈正文、藤岡豊蔵などの名前があり、彼らは村の発展や教育の促進などに尽力しました。特に伊奈正文は、再度村長に就任するなど、活躍が目立つ人物でした。

教育の制度

教育に関しては、穏治村内に穏治尋常小学校が開校されていました。この学校は、その後明治村と合併する際に大正尋常小学校と改称され、もっと後には明治尋常小学校と合併して現在の鳥取市立世紀小学校および鳥取市立明治小学校へと繋がっています。教育機関は、地域住民に重要な役割を果たし、児童の成長を支える基盤となっていました。

穏治村は短いながらも豊かな歴史を有した自治体であり、地域の発展に寄与したさまざまな人物や事象が存在しました。この地域の歴史を知ることは、鳥取県の文化や成り立ちを理解する一助となります。

もう一度検索