空印寺

空印寺について

空印寺（くういんじ）は福井県小浜市小浜男山に位置する曹洞宗の寺院で、山号は建康山です。この寺院の本尊は馬頭観音であり、地域の重要な歴史的・宗教的スポットとなっています。空印寺は小浜藩酒井家の菩提寺であり、境内には八百比丘尼が入定したとされる洞穴が存在し、多くの参拝者が訪れます。

歴史

空印寺の歴史は深く、若狭守護の武田元光が大永2年（1522年）に後瀬山城を築き、守護館を現在の空印寺の敷地に移したことに始まります。この堅牢な若狭守護館は、戦国時代にも重要な拠点として機能しており、織田信長の重臣である丹羽長秀や、豊臣秀吉の親族である浅野長政、木下勝俊が平和な時代にはこの地に住んでいました。

やがて、京極高次が関ヶ原の戦いの後、若狭国の主となり、この城の主として君臨しました。高次が没した後、其の息子忠高は旧跡に京極高次の牌所として泰雲寺を建立しましたが、京極家は寛永11年（1634年）に松江へ転封となりました。

その後、空印寺は小浜藩主酒井家の菩提寺として重要視されました。酒井忠勝は父の霊骨を移して建康寺を称し、二代藩主の酒井忠直が七回忌法要の際に伽藍を増築し、空印寺と名付けられました。空印は忠勝の法号に由来しています。

文化財

空印寺には貴重な文化財があります。市指定の文化財としては、薬医門や紙本著色神明神社社頭風俗図があり、また市指定の史跡には酒井家の墓所や八百比丘尼の入定の洞穴が含まれています。「八百比丘尼」とは、若狭国造の末流にあたる高橋長者の姫で、彼女は135歳の時に龍王からもらった人魚の肉を食し、実際の年齢にも関わらず見た目が変わらず、長寿を約束されたとされています。

八百比丘尼は、人生の最後を822歳でここ空印寺の境内の洞穴で迎えたと伝えられています。人々はこの霊地を崇め、彼女に祈願することによって不思議な霊験を体験したとされ、多くの人々が福徳や寿命、病気平癒を求めて訪れました。

所在地と交通アクセス

空印寺は福井県小浜市小浜男山に位置し、交通アクセスはJR西日本小浜線小浜駅から徒歩で15分、舞鶴若狭自動車道小浜ICから約3km、また国道27号後瀬から約2kmの距離です。近隣には小浜港や妙楽寺、常高寺、後瀬山城跡といった名所も点在しています。

空印寺はその歴史的背景や文化財、八百比丘尼にまつわる伝説により、訪れる人に魅力的な体験を提供し続けています。

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