酒井忠直 (さかいただなお)
酒井忠直は、
江戸時代前期の武将であり、若狭
小浜藩の第2代藩主。
小浜藩酒井家3代当主として知られています。
生涯
寛永7年(
1630年)に、初代
小浜藩主(当時は武蔵
川越藩主)・酒井忠勝の四男として誕生しました。
正保元年(
1644年)には
従五位下・修理大夫に叙任。
慶安2年(
1649年)に兄・忠朝が
廃嫡されたため、嫡子となります。
明暦2年(
1656年)5月26日、父・忠勝の
隠居により家督を継ぎ、
小浜藩主となりました。
寛文8年(
1668年)には、甥(忠朝の子)の忠国に1万石を分与し、
安房勝山藩を立藩させています。
寛文12年(
1672年)には、元下総
佐倉藩主であった甥・堀田正信を預かりました。これは、正信を預かっていた
信濃飯田藩主・脇坂安政が播磨
龍野藩へ転封されたことによる措置でした。
しかし、
延宝5年(
1677年)に堀田正信が密かに上洛し、
清水寺や
石清水八幡宮に参拝したことが発覚。預かりの責任者であった忠直は
閉門処分となり、正信は阿波
徳島藩主・
蜂須賀綱通に預け替えられることとなりました。
藩政においては、父・忠勝の政策を受け継ぎ、藩の諸制度の確立と整備、新田開発、
寛文近江・若狭地震からの復興(小浜城の修理や
三方五湖の浦見川運河治水工事など)、文学の奨励などに尽力。藩政を指導しました。
天和2年(
1682年)7月10日、小浜にて53歳で死去。跡は長男の忠隆が継ぎました。父の政策を受け継いで藩政を確立した忠直は、実直で守成の名君と評されています。
系譜
父:酒井忠勝
母:松平親能の娘
正室:松平定頼の娘
長男:
酒井忠隆 (1651-1686)
* 次男:酒井忠稠 (1653-1706)
生母不詳の子女として、酒井忠與、江見舎政、酒井忠艮、酒井直郷などがいます。
子女には、秋田輝季正室となった本性院、深栖季林室、田中常行室、毛利元賢正室のち植村家言継室となった玄好院、高木正純室、酒井忠徂室、三浦義職室などがいます。
養女には、
酒井忠朝の娘で亀井政直正室となった女性がいます。
酒井忠直は、その治世において藩政の安定と発展に大きく貢献した人物として、後世に語り継がれています。