空挺特科大隊

空挺特科大隊について

陸上自衛隊の精鋭部隊、第1空挺団の傘下にある空挺特科大隊は、千葉県船橋市の習志野駐屯地に駐屯しています。この部隊は、空挺作戦における重要な火力支援を担う野戦特科部隊であり、特に120mm重迫撃砲を主要装備としている点が特徴です。正式名称は第1空挺団特科大隊といいます。

概要

空挺特科大隊は、千葉県中部を警備担任区域としています。特科大隊という名称でありながら、その装備は120mm重迫撃砲が中心です。これは、陸上自衛隊の主力榴弾砲であるFH70がヘリコプターでの空輸に適さないという事情があります。そのため、空輸が可能でありながらも、従来の105mmりゅう弾砲よりも射程と口径が大きい120mm迫撃砲が採用されました。

過去には、輸送機の性能上の制約から107mm迫撃砲しか投下できませんでしたが、後にC-1輸送機が導入されたことで、105mmりゅう弾砲の空輸・投下も可能となりました。

沿革

空挺特科大隊の歴史は、1958年（昭和33年）6月25日に第1空挺団が新編された際に、その隷下部隊として編成されたことに始まります。

1958年6月25日: 第1空挺団特科大隊が編成完結（大隊本部、本部中隊、2個迫撃砲中隊で構成）
1979年3月26日: 105mmりゅう弾砲8門が配備され、迫撃砲中隊が射撃中隊に改編。
1996年3月29日: 120mm重迫撃砲が配備。
2015年3月26日: 第3射撃中隊が新編。

部隊編成

現在の空挺特科大隊は、以下の編成となっています。

第1空挺団特科大隊本部
本部中隊「空挺団特-本」
第1射撃中隊「空挺団特-1」
第2射撃中隊「空挺団特-2」
第3射撃中隊「空挺団特-3」

主要装備

空挺特科大隊の主要な装備は以下の通りです。

120mm迫撃砲 RT：主要な火力装備。
重迫牽引車：120mm迫撃砲を牽引するための車両。
1/2tトラック / 73式小型トラック：人員や物資の輸送に使用。
1 1/2tトラック / 73式中型トラック：人員や物資の輸送に使用。
3 1/2tトラック / 73式大型トラック：人員や物資の輸送に使用。
高機動車：不整地での移動に使用。
89式5.56mm小銃：隊員の基本装備。

空挺特科大隊は、空挺団の一員として、迅速な展開能力と高い火力を兼ね備え、空挺作戦において重要な役割を担っています。

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