窪薗晴夫

窪薗 晴夫 (Haruo Kubozono)

概要

窪薗晴夫は、1957年に鹿児島県薩摩川内市で生まれた著名な日本の言語学者です。主に音声学と音韻論における研究を行い、国立国語研究所の名誉教授です。英語への関心から研究の道を歩み始めた彼ですが、イギリスに留学中に明らかになった母語である日本語に対する理解不足が、彼の研究の焦点を日本語にシフトさせるきっかけとなりました。

研究内容

窪薗は、日本語におけるピッチアクセント、連濁、促音、イントネーションといった音声学的特性に関する研究で知られています。また、最近では母国の方言である鹿児島方言についての調査や、言語接触による借用語の促音挿入問題に関する研究も行っています。これにより、言語がどのように変化し相互作用するのかという理解を深めることに力を入れています。

経歴

彼の教育背景は、1975年に鹿児島県立川内高等学校を卒業後、1979年に大阪外国語大学英語学科を卒業、1981年に名古屋大学の大学院文学研究科で博士前期課程を修了しています。その後、1983年から1986年にかけてエジンバラ大学大学院に留学し、1998年にはPh.D.を取得しました。これまでに南山大学助教授、大阪外国語大学助教授、神戸大学大学院人文学研究科教授を歴任し、2022年3月まで国立国語研究所の教授を務めました。

彼は、神戸大学および国立国語研究所から名誉教授としての称号を授与されています。また、2015年から2018年まで日本言語学会の会長を務め、日本学術会議の連携会員としても活動しています。

受賞歴

窪薗はその業績に対して多くの賞を受賞しています。1995年には市河三喜賞、1997年に第25回金田一京助博士記念賞を受賞し、2018年には早稲田大学ティーチングアワードの総長賞を得ています。

出版業績

窪薗は、数多くの著書や論文を発表しており、その中には『日本語の音声』や『音声学・音韻論』、さらには国際的に評価されている『Handbook of Japanese phonetics and phonology』などがあります。また、共著や編著も数多く、例えば『よくわかる言語学』や『プロソディー研究の新展開』など、多岐にわたる言語学のテーマを扱っています。

成果と影響

彼の研究は、日本語学や音声学の分野に大きな影響を与えており、教育現場においても実践的な知見を提供しています。特に、彼が研究している音韻論や音声学に関する知識は、今の日本語の理解を深めるための重要な資源となっています。また、彼は国際的な学会を積極的に開催し、言語学の発展に寄与することにも注力しています。

外部リンク

• - 窪薗晴夫 - researchmap
• - 窪薗晴夫 - J-GLOBAL
• - 窪薗晴夫 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
• - 言語研究館 ことばの波止場

もう一度検索