竹添進一郎

竹添進一郎について

竹添進一郎（たけぞえ しんいちろう、1842年4月25日 - 1917年3月31日）は、日本の外交官であり、後に漢学者としての業績で知られている人物です。彼の本名は漸で、字は光鴻（こうこう）、号は井井（せいせい）です。彼は甲申政変の際に朝鮮弁理公使を務め、そしてその後の漢学者としての活動でも高い評価を受けました。進一郎は、日本学士院賞を受賞し、熊本県の近代文化に大きく貢献した人物として知られています。

来歴

竹添進一郎は、肥後国天草（現在の熊本県上天草市）で生まれました。父親は医者であり、儒学者でもあった小田順左衛門でした。進一郎は幼少期から儒学に親しみ、特に父から学問を受けて育ちました。1855年、彼は熊本に移り、著名な儒学者・木下韡村のもとで学びました。

彼はその才能を発揮し、藩校時習館の居寮生となり、優れた成績を収めていきました。特に井上毅や木村弦雄と共に三才子と称され、さらに古荘嘉門を加え四天王と呼ばれるようになります。こうした才能を生かし、藩命で京都や江戸、奥州へと旅し、その中で勝海舟とも知り合いました。

明治4年、廃藩置県により失職した後、竹添は私塾を開き教育に注力しました。1875年には上京し、勝海舟の紹介で森有礼全権公使に随行し、清国を訪れました。彼はここで「桟雲峡雨日記」を著し、考証学者兪樾とも交流しました。その後、天津領事や北京公使館書記官などを歴任し、1882年には朝鮮弁理公使に就任しましたが、甲申政変に絡み辞任を余儀なくされます。

1880年代に入ると、技術者・橋本綱常に漢籍を教えるなど、漢学の普及にも寄与しました。1893年には東京帝国大学の教授に就任し、漢文学を講じました。「復刻版 桟雲峡雨日記」などの著書を執筆し、その学問的業績は今も評価されています。

彼の人生の晩年は小田原で過ごし、1917年に76歳で亡くなりました。彼は多くの業績により、日本学士院賞を受賞し、文学博士としても名を馳せました。また、従三位、勲三等の栄誉も受けています。

進一郎の次女須磨子は、柔道の創始者として知られる嘉納治五郎と結婚しました。このように竹添進一郎は、多方面にわたる知識と才能を持つ偉大な日本の学者であり、彼の業績は後世にわたって影響を与えています。

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