笈田ヨシ

笈田 ヨシについて

笈田 ヨシ（おいだ ヨシ）は、日本の俳優・演出家であり、1933年7月26日に兵庫県神戸市で生まれました。彼はかつての芸名「笈田 勝弘」としても知られ、現在はパリを拠点に国内外の舞台で活躍しています。彼はさまざまな国での演劇作品や映画に出演し、演出家としても多くの舞台を手掛けています。

学歴と初期の活動

笈田は甲南中学校・高等学校、続いて慶應義塾大学文学部哲学科を卒業しました。大学在学中には文学座に入団し、その後、劇団四季を経て1968年にはロンドンでピーター・ブルックによる実験劇『テンペスト』に出演しました。この作品は彼の国際的なキャリアのスタートを切る重要な出来事となりました。

1970年にはブルックが設立した国際演劇研究センター（CIRT）に参加し、以降はパリを拠点として世界各国の劇場で活躍します。

経歴と受章歴

笈田はその才能と努力により、1990年代には名前を「笈田 ヨシ」に改名しました。また、彼は1992年にフランス芸術文化勲章シュバリエを受勲。その後、2007年にオフィシエ、2013年にコマンドゥールを受章し、フランス国内での文化貢献が評価されています。彼は舞台や映画、オペラなどの多彩な活動を通じて、国際的な評価を受け続けています。

主な作品

舞台

笈田が出演した舞台作品には、ピーター・ブルックの演出による『マハーバーラタ』や『テンペスト』、そして『春琴』などがあります。特に『春琴』は彼にとって重要な作品で、何度も再演されています。最近では、2022年にフランスで初演された『笈田ヨシへの4つの質問』なども手掛けています。

映画

笈田は映画界でも数多くの作品に出演しています。『豪姫』や『Madame Butterfly』、さらにはマーティン・スコセッシ監督による『沈黙 -サイレンス-』など多岐に渡ります。また、近年では『駅までの道をおしえて』や『Adieu Paris』などに出演し、存在感を示しています。

テレビドラマ

彼のテレビドラマの活動も豊富で、1959年に放送された『東京のプリンスたち』から、2010年のNHKドラマ『大仏開眼』、さらに2010年のTBSドラマ『歸國』まで幅広く出演しています。

演出活動

笈田は俳優活動に加え、数多くの演出作品も手がけています。その中には、1982年の『チベットの死者の書』や、安部公房原作の『砂の女』、三島由紀夫作の『サド公爵夫人』などがあります。オペラの演出にも挑戦し、ブリテン作曲による歌劇『カーリュー・リヴァー』や、シューベルト作の歌曲集『冬の旅』など、多くの作品でその才能を発揮しています。

著作

彼はまた作家としても活躍し、翻訳書や著書を出版しています。『俳優漂流』や『見えない俳優』など、彼の俳優としての経験から生まれた知見を通じて、演劇界への貢献もしています。

おわりに

笈田 ヨシは、その俳優としてのキャリアだけでなく、演出家としても多大な影響を与えている人物です。彼の活動は日本だけでなく、国際的にも重要な位置を占めており、今後のさらなる成長と活躍が期待されています。

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