第一次大陸間戦争:惑星Ziを舞台にした激戦の記録
第一次大陸間戦争は、トミー(現
タカラトミー)から展開された『
ゾイド』シリーズに登場する、
ヘリック共和国と
ガイロス帝国による5年間にわたる架空の戦争です。両国は最新鋭の
ゾイドを投入し、互いの首都を攻撃するなど、激しい戦いを繰り広げました。しかし、巨大彗星が
惑星Ziの衛星に衝突するという大異変が発生し、両国ともに戦争の継続が困難となり、休戦に至りました。
戦争の背景
ZAC2051年3月、
ヘリック共和国軍はゼネバス帝国の首都を陥落させ、ゼネバス帝国軍はニカイドス島へと撤退しました。ゼネバス皇帝は、暗黒大陸を支配する
ガイロス帝国(暗黒軍)に救援を求めますが、残存していた
ゾイドと兵士を連れ去られてしまいます。一方、
ヘリック共和国は、接収されるゼネバス兵を乗せたホエールカイザーを撃墜し、その中から
ガイロス帝国が共和国侵略のために開発している“最終兵器”の存在を知ります。ヘリック大統領はガイロス皇帝の野望を阻止すべく、暗黒大陸への進出を決意しました。
暗黒大陸への上陸作戦
共和国軍は改造マッドサンダーを主力とした第一次暗黒大陸上陸作戦を敢行しますが、これは失敗に終わります。しかし、別の地点から新型
ゾイドを投入した第二次上陸作戦は成功し、上陸地点は「エントランス湾」と命名され、共和国軍の橋頭堡となりました。共和国軍は最終兵器を探し出すために偵察隊を編成し、発見した工場をマッドサンダーを囮にした奇策によって襲撃しますが、最終兵器そのものは発見できませんでした。
ZAC2053年10月、共和国軍の前線基地の旗艦タートルシップに隕石が直撃し、その中から暗黒軍の最終兵器「
ギル・ベイダー」が出現します。
ギル・ベイダーはその圧倒的な戦闘力で共和国軍の前線基地を壊滅させ、共和国の首都ヘリックシティを爆撃し、8万人の市民と防空任務に当たっていたグラハム空軍大尉の命を奪いました。劣勢に陥った共和国は、補給中の
ギル・ベイダーを基地内で爆破する作戦を敢行しますが失敗し、サラマンダーF2など多くの
ゾイドを失いました。
ZAC2054年5月、制空権を
ギル・ベイダーに奪われエントランス湾まで追い詰められた共和国軍は、中央大陸に残った全てのマッドサンダーを改造して暗黒大陸へ向かわせるという作戦を実行します。5月10日の
ヘリック共和国海軍記念日に、改造マッドサンダー「サンダーパイレーツ」を旗艦とする35隻のマッド艦隊が出港。トライアングルダラスにて
ギル・ベイダーと接触し、これを撃墜しますが、着水した
ギル・ベイダーは水中から艦隊を攻撃し、対潜用の兵器を持たない艦隊は全滅させられました。
ZAC2054年6月2日、共和国軍は新型空戦
ゾイド、オルディオスを完成させます。ロイ・ジー・クルーガ中尉はオルディオスで
ギル・ベイダーを超高空へと誘い出し、撃墜に成功しました。ガイロス皇帝はギル・ベイダー撃墜の報とオルディオス500機配備の虚報を受け、中央大陸に向かわせたギル・ベイダー大隊を撤収させました。
共和国軍の反撃と大異変による終戦
ZAC2055年、共和国軍はサラマンダーF2によって暗黒軍との制空戦闘に勝利し、暗黒大陸内部への進行を開始します。しかし、シュテルマー中尉の駆るギルベイダーによって大反撃を受け、退却を余儀なくされます。ZAC2056年、共和国は囚われのゼネバスを救出するため、オルディオス飛行中隊と
TFゾイド部隊を編成し進撃を開始しますが、暗黒軍の抵抗により失敗に終わります。
共和国軍は新鋭
ゾイドを集結させ大攻勢を開始、暗黒軍も激しく抵抗しますが、共和国軍は最終決戦用に開発したキング
ゴジュラスを投入します。キング
ゴジュラスの圧倒的な戦闘力により、戦況は一気に共和国軍に傾きます。しかし、そこに巨大彗星が
惑星Ziの衛星に激突し、大災害が発生。戦闘継続は不可能と判断したヘリックはキング
ゴジュラスを自爆させ、暗黒大陸から脱出しました。
惑星Ziの大異変により両国とも戦争継続が不可能となり、休戦となりましたが、国家間の正式な休戦協定は結ばれていませんでした。大異変から1年後のZAC2057年、西方大陸エウロペのカシル村にて、ヘリック大統領に保護されたゼネバスの娘エレナを仲介役とした休戦協定の会談が行われようとしましたが、
ガイロス帝国の和平反対派の襲撃により決裂。エレナは共和国に亡命し、帝国軍の技術再生の企みを知った共和国軍は、再び挙兵を決意します。
ZAC2059年10月、共和国軍は
ガイロス帝国の研究施設があるリーバンテ島へ上陸作戦を敢行しますが、敵の抵抗と罠により失敗。キング
ゴジュラス抹消作戦は失敗に終わりました。これによって物語は第一章を終え、「リバースセンチュリー」における戦争の結末や、第二次大陸間戦争が勃発するZAC2099年までの経緯は不明となっています。