第七号型掃海艇 (3代)

第七号型掃海艇（3代）とは

第七号型掃海艇は、大日本帝国海軍が運用した掃海艇の類別（クラス）の一つです。この艇級は、昭和12年（1937年）度に策定された第三次海軍軍備充実計画、通称「③計画」に基づき、計画・建造されました。掃海艇の艇型名としては、旧式の駆逐艦を改造した初代および2代目に続く、3代目の呼称にあたります。

艇名の由来

本型の各艇に付与された名称は、一見すると直前の建造クラスである第十三号型掃海艇よりも若い番号となっています。これは、かつて同名の番号が付与されていた旧式掃海艇（第七号から第十二号まで）が既に海軍から除籍されていたため、その番号を新たに引き継いだことによるものです。

設計と任務

第七号型掃海艇は、主に艦隊行動に随伴し、作戦海域における機雷原の掃討、すなわち艦隊が進むべき航路や、上陸あるいは攻撃目標となる地点への進入路を啓開する任務を担うことが想定されていました。艦隊の最前線で作戦行動を支援するため、掃海任務に加え、哨戒活動や敵水上艦艇との交戦にも対応できる能力が求められました。このため、当時の掃海艇としては類を見ない強力な砲武装が施されていたのも特徴です。太平洋戦争勃発後は、本来の掃海任務に加えて、海上交通路の維持に不可欠であった輸送船団の護衛任務にも広く投入され、多岐にわたる活動に従事しました。

各艇の辿った運命

本型は合計6隻が建造され、太平洋戦争中にそれぞれの運命を辿りました。各艇の竣工情報と最終的な状況は以下の通りです。

第七号掃海艇（3代）：昭和13年（1938年）12月25日、三井造船にて竣工しました。昭和19年（1944年）4月15日、インド洋のアンダマン沖にて、哨戒中のイギリス潜水艦「ストーム」から発射された魚雷を受け沈没しました。
第八号掃海艇（3代）：昭和14年（1939年）2月15日、浦賀船渠にて竣工しました。終戦時、オランダ領東インド（現在のインドネシア）のスラバヤで稼働可能な状態で残存しており、その後イギリス軍に接収されました。最終的に、昭和21年（1946年）7月10日、シンガポール沖のケッペル湾外にて海没処分とされました。
第九号掃海艇（3代）：昭和14年（1939年）2月15日、舞鶴工廠にて竣工しました。昭和17年（1942年）2月2日、オランダ領東インドのモルッカ諸島アンボン付近での掃海作業中に機雷に接触し、爆発により沈没しました。
第十号掃海艇（3代）：昭和14年（1939年）2月15日、石川島造船にて竣工しました。太平洋戦争開戦直後の昭和16年（1941年）12月10日、フィリピンのルソン島ビカン湾にて、アメリカ軍機の機銃掃射を受け、搭載していた爆雷が誘爆を起こして沈没しました。
第十一号掃海艇（2代）：昭和14年（1939年）7月15日、浦賀船渠にて竣工しました。昭和20年（1945年）3月28日、セレベス島（現在のスラウェシ島）のマカッサル沖で、イギリス軍機の空襲により撃沈されました。
第十二号掃海艇（2代）：昭和14年（1939年）8月15日、石川島造船にて竣工しました。終戦間近の昭和20年（1945年）4月6日、ジャワ海のフローレス島西方海域において、アメリカ潜水艦「ベスゴ」の雷撃を受け沈没しました。

まとめ

第七号型掃海艇は、計画当初の掃海任務に加えて、太平洋戦争中は輸送船団の護衛という重要な役割も担いました。しかし、その多くが敵からの攻撃や機雷により失われるという、過酷な戦局を反映した結果となりました。

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