第三青函丸

第三青函丸と第四青函丸の歴史

第三青函丸は、1936年ごろに貨物輸送量の急増に対応して建造された蒸気動力の鉄道連絡船で、青函航路の貨物輸送を支える重要な船でした。船は浦賀船渠で建造され、1945年の空襲によって失われました。さらに、第二青函丸や翔鳳丸型と同様に鉄道輸送の効率向上に貢献しました。

この時期、日本は第一次世界大戦の後、経済的な不況に直面していましたが、青函航路では1924年度以降、貨物輸送量が増加に転じました。特に、翔鳳丸型の導入が成功し、その後に建造された第一青函丸も加わり、急激に輸送量が増えました。特に1936年度には前年比115％の貨物輸送量を達成し、さらに日中戦争の影響で需要が増していきました。

第三青函丸とその設計

第三青函丸は、技術革新を取り入れて設計され、全通の船橋楼甲板を持つことで、従来の船と比べて屋根のある車両格納所を実現しました。この構造により、荒天時でも車両の損傷を防ぐことができました。また、車両甲板の舷側は外板で覆い、冬場や悪天候に備えた通風採光用の開口部も設けられました。

船体の長さや幅は、第二青函丸とほとんど変わりませんでしたが、そのデザインと技術の進歩によって、より効率的に船舶が機能することができました。特に艤装の配置や操舵機構は新型のものが採用され、航海での操作性が向上しました。

輸送能力と運航

第三青函丸は、4線の軌道を持ち、最大44両の貨物を積載することが可能でしたが、運航においては車両の積載や卸しがしやすいように設計されていました。この運営方式においては、車両を迅速に運び、必要なハンディキャップを挽回する工夫が凝らされました。運航は通常、1日2往復が行われていました。これにより、青函航路の貨物輸送が大幅に効率化されたのです。

また、第三青函丸は、海軍艦政本部の影響を受ける前に建造され、戦争前の状況でも需要に対処できる能力を持っていました。航海の安全性を確保するため、船舶搭載機器の電力供給は交流方式に変更され、必要な機能を果たすための適切な準備がなされました。

第四青函丸の建造と影響

その後、第四青函丸が1938年に起工され、1943年に竣工しました。この船は、前の船体設計の問題を解決すべく、フレアを少なくし、凌波性を向上させるよう工夫されています。この船は青函航路における重要な役割を果たし、長期間にわたって運行されることが期待されていましたが、戦争による不測の事態で早期に失われる運命を辿りました。

両船とも太平洋戦争末期に失われたことで、青函航路の歴史において大きな転換をもたらしました。特に、第三青函丸の沈没は多くの乗員の命を奪い、歴史的な悲劇として語り継がれています。これらの連絡船の歴史は、当時の日本社会や経済、交通網の発展を支えた重要な一環でした。彼らの存在が、現在の航路の発展にどれほど寄与したかを深く理解することが重要です。

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