第二半インターナショナル

第二半インターナショナル（だいににはんインターナショナル、2½ International）は、第一次世界大戦後に第二インターナショナルとコミンテルン（第三インターナショナル）の統合をめざして結成された社会主義者の国際組織です。

正式には「国際社会党（行動）同盟」（International Working Union of Socialist Parties / 「社会主義諸政党国際協働体」とも）と称し、一般には「第二半インターナショナル」「ウィーン・インターナショナル」（ウィーン連合）という通称で知られています。なお「第二半」という表現はコミンテルン側からの貶称です。

経緯

1920年4月、イギリス独立労働党は、インターナショナルの再興計画に関してスイス社会民主党に打診しました。1年にわたる協議の結果、目的は達成されませんでしたが、1921年2月にウィーンで開かれた会議で、オーストリア社会民主党を中心にもう一つの「インターナショナル」が創設されました。しかし、これは第2・第3の両インターナショナルによってボイコットされます。

第二半インターナショナルは、革命的祖国敗北主義と社会革命との関連を拒否したため、レーニンから攻撃を受けました。このグループは、平和主義と、対立するインターナショナルの中間を目指す意思を持っていました。

1922年初め、世界の労働者組織の一般会議が提案され、統一戦線の政策を採っていたコミンテルン側に受け入れられます。2月、コミンテルン執行委員会は「労働者大衆の統一行動は政治的見解での原則の相違にかかわらず実現できる」と明言しました。第二インターナショナル側は慎重でしたが、4月2日に3つのインターナショナルはベルリンで会議を開きました。

このときの第二半インターナショナルの代表は、オーストリア社会民主党左派のフリードリヒ・アドラーとオットー・バウアー、フランスのジャン・ロンゲ、ロシアのメンシェヴィキであるユーリー・マルトフとアブラモヴィッチ、イギリス独立労働党のウォールヘッドなどでした。決議はなされたものの、レーニンの反対が強く、5月23日にフランス・イギリス・ベルギーの諸党が開いたインターナショナル再統合のための組織委員会から、コミンテルン側は脱退しました。

その年の終わりに、ドイツ独立社会民主党の残党がドイツ社会民主党に合流した結果、第二半インターナショナルは労働社会主義インターナショナルに吸収されました。

参考文献

* 「国際社会党行動同盟」 『新編西洋史辞典』 東京創元社、1983年

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