第二図南丸

第二図南丸

第二図南丸（だいにとなんまる）は、日本の日本水産（現・ニッスイ）が運営した捕鯨船およびタンカーであり、初代は1937年に、2代目は1956年に竣工しそれぞれ1944年と1978年に役目を終えました。

初代第二図南丸

初代の建造は、1936年に始まりました。当時の林兼商店は、底引網漁業と沿岸捕鯨の経験を基に、国産初の捕鯨母船を用いて南氷洋捕鯨に参加しました。これにより、多数の鯨を捕獲し、一定の成功を収めました。その成果を受けて、日本捕鯨は大型の捕鯨母船の建造を計画し、ノルウェー船籍のスベント・フォインの設計図を参考に初代第二図南丸の建設に踏み切りました。

1937年に竣工したこの船は、南氷洋捕鯨において1,833頭の鯨を捕獲し、鯨油2万トンを生産しました。日本の捕鯨船団の好成績が国際会議に招待される要因となり、注目を浴びました。さらに、捕鯨母船は戦前の経済的な背景も持ちながら、日本の捕鯨産業の発展に寄与しました。

戦時中の徴用と損害

1941年、太平洋戦争の影響で本船は大日本帝国海軍に徴用され、雑用船として軍需品の輸送に従事しましたが、1942年にはアメリカの潜水艦によって攻撃され、沈没を避けるために座礁しました。

移転後、日本本土で修理された第二図南丸は、再度輸送や補給に従事しましたが、戦局の悪化の影響は避けられず、1944年にはアメリカの潜水艦によって撃沈され、その役目を終えました。これにより、当時日本に存在した捕鯨母船は全て失われる結果となりました。

2代目第二図南丸

戦後、日本水産は再び南氷洋捕鯨を再開するための母船を必要としていました。1956年に竣工した2代目の第二図南丸は、従来の捕鯨母船を改装し、輸送から鯨類の処理に特化した構造に改築されました。

この船は、1957年から南氷洋捕鯨に従事し、過去の記録を超える捕獲量を達成しました。しかし、1960年代には資源枯渇問題が深刻化し、国際捕鯨委員会によって捕獲枠が厳格に設定されるようになりました。日本捕鯨の活動は縮小を余儀なくされ、1975年には母船式捕鯨を終了することを決定しました。

最後の出漁は1976年であり、翌年には廃船となりました。日本捕鯨の歴史を象徴する船であり、現在はそのモデルが展示されています。日本水産は、これらの業績を通じて、捕鯨に関する国際的な動向に影響を及ぼしたと共に、経済的な価値も創出しました。

展示と文化的意義

下関市立大学地域共創センターにカットモデルが収蔵されており、捕鯨の歴史を学ぶ上で貴重な資料となっています。第二図南丸の歴史は、日本の捕鯨文化とその影響を理解する手助けとなるでしょう。

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