第五高等学校 (旧制)

第五高等学校の概要

第五高等学校（だいごこうとうがっこう）は、1887年に熊本に設立された官立高等中学校を母体とした旧制高等学校です。一般には「五高」と呼ばれています。全国で設立された高等中学校の中でも、特に重要な一校として位置づけられています。

設立背景

この学校は、仙台の旧制二高、金沢の四高に次いで、全国で第三番目に設立されました。当初は全寮制教育を志向し、寄宿舎には「習学寮」という名称が付けられました。高等科は文科と理科で構成され、修業年限は3年と定められています。入学者には主に九州出身者が多く、卒業後は東京帝国大学への進学が一般的でした。

校風と特徴

五高は「剛毅朴訥」という校風を持ち、卒業生たちは多くの著名な政治家や官僚になりました。特筆すべきは、内閣総理大臣を経験した池田勇人や佐藤栄作など、多くの政治的影響力を持つ人々がこの学校から輩出されたことです。また、広大な校地を誇り、独立した陸上用グラウンドや野球グラウンドを持っていました。

沿革

• - 1887年5月: 第五高等中学校設立。
• - 1894年9月: 高等学校令により「第五高等学校」へ改称。
• - 1901年: 医学部が分離し、長崎医学専門学校として独立。
• - 1949年5月: 新制熊本大学に包括され、卒業生が出るまで「熊本大学第五高等学校」として残存。
• - 1950年3月: 最後の卒業生を送り出し、学校は廃校となりました。

歴代校長と著名な教員

初代校長の野村彦四郎を含む多くの校長が教育に尽力し、ラフカディオ・ハーンや夏目漱石が教職にあたったことでも知られています。彼らは英語や文学などの分野で重要な役割を果たしました。

記念館と文化財

五高校地は現在、新制熊本大学の黒髪キャンパスに継承されています。1969年には赤煉瓦造の旧本館が国の重要文化財に指定され、1993年には「五高記念館」として一般に公開されています。

影響

五高からは多くの卒業生が政治、経済、学術、文化の各分野で活躍し、特に政治家の輩出が際立っています。このように、第五高等学校はその歴史を通じて日本の教育界や官界において大きな影響を与えてきました。

もう一度検索