第十三博鉄丸

第十三博鉄丸（だいじゅうさんはくてつまる）

第十三博鉄丸は、かつて西海汽船が所有していた貨物船です。この船は、その短い航海の中で、太平洋戦争の激しい戦火に巻き込まれ、悲劇的な最期を遂げました。

建造と初期

第十三博鉄丸は、大阪造船所にて建造され、1940年（昭和14年）12月1日に進水しました。当初は博多湾鉄道汽船の貨物船として運用されていました。この時期、日本は太平洋戦争へと突き進む激動の時代であり、第十三博鉄丸もその波に乗り、時代の流れに翻弄されることになります。

西海汽船への移籍と太平洋戦争

太平洋戦争が開戦すると、第十三博鉄丸は西海汽船へと移籍しました。戦時下、船舶は軍需物資の輸送や兵員の移動に重要な役割を担っていました。1943年（昭和18年）9月4日、第十三博鉄丸はパラオを出港し、ニューギニア島のウエワクへ向けて単独航海を行いました。しかし、この航海が彼女の最後の航海となるのでした。

悲劇的な最期

1943年9月8日、第十三博鉄丸は南緯02度48分 東経141度46分の地点、ホーランジア（現在のジャヤプラ）の東方60海里付近で、アメリカ海軍の潜水艦ドラム(USS Drum, SS-228)に発見されました。午前11時42分、ドラムは3本の魚雷を発射し、うち2本が第十三博鉄丸の左舷3番船倉と燃料炭庫に命中しました。この攻撃により、第十三博鉄丸は轟沈し、多くの命が失われました。

犠牲者

この攻撃による犠牲者は、便乗者81名、備砲隊2名、そして船員16名に及びました。第十三博鉄丸の沈没は、戦争の悲惨さを物語る出来事の一つとして、歴史に刻まれています。

参考文献

(issuu) SS-228, USS DRUM, Part 1. Historic Naval Ships Association. https://issuu.com/hnsa/docs/ss-228_drum_part1
アジア歴史資料センター（公式）（防衛省防衛研究所）Ref.C08030463000『武装商船警戒隊戦闘詳報 第二〇二号』、20-21頁。

関連項目

ドラム (潜水艦))

外部リンク

第十三博鉄丸 - なつかしい日本の汽船
* 第十三博鉄丸 - 戦没した船と海員の資料館

第十三博鉄丸の悲劇は、太平洋戦争の暗い影を映し出す出来事であり、戦争の悲惨さを後世に伝える教訓として、決して忘れてはならないでしょう。

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